急性虚血性脳卒中に対する経皮的血管インターベンション

著者の結論: 

全体で、インターベンションは、頭蓋内出血を有意に増加させるにもかかわらず、アウトカムが良好な患者の割合を有意に高める。これらの知見を確認ないし否定するために、また、費用および実施が難しいことを考慮すると、より広い実地臨床において経皮的インターベンションは実施可能かつ費用対効果が高いかどうかを確立するために、更なる試験が必要である。

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背景: 

機能障害を伴う脳卒中の多くは脳内の大きな動脈の血栓による閉塞に起因する。血栓溶解薬の動脈内投与または機械的器具、あるいは両者による血栓の迅速な除去は、大きな脳障害が起こる前に血流を回復させることができ、回復の改善につながる。しかし、これらのいわゆる経皮的血管インターベンションは脳に出血を生じさせることがある。

目的: 

急性虚血性脳卒中患者における経皮的血管インターベンションの安全性と有効性を評価する。

検索方法: 

Trials Registers of the Cochrane Stroke Group and Cochrane Peripheral Vascular Diseases Group(最終検索日2010年5月)、Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)(コクラン・ライブラリ2010年第5号)、MEDLINE(1980年から2010年5月まで)、EMBASE(1980年から2010年5月まで)、および8つの追加的データベースを検索した。試験登録も検索し、参考文献リストを選別し、研究者や機器製造業者に連絡を取り、雑誌や会議議事録をハンドサーチした。

選択基準: 

明確な虚血性脳卒中のある患者を対象として、なんらかの経皮的血管インターベンションとコントロールとを比較した交絡のないランダム化比較試験

データ収集と分析: 

2人のレビューアが選択基準を適用し、データを抽出し、試験の質を評価した。発表済みと入手可能であれば未発表のいずれのデータも得た。

主な結果: 

350例の患者を対象とした4件の試験を選択した。全ての試験が各アウトカムにデータを提供したわけではなかった。これらの試験はウロキナーゼあるいは遺伝子組み換え型プロウロキナーゼの動脈内投与とオープンコントロールを比較した。1件の試験は介入群にランダム化された一部の患者にガイドワイア仲介性血栓破壊を用いた。大部分のデータは脳卒中後6時間までに治療を開始した試験からのものであった;1件の小規模試験は脳卒中後中央値12.5時間までに治療を開始した。大部分のデータは中大脳動脈領域の梗塞の試験からのものであった。非血栓溶解性の標準薬物治療と比較して、虚血性脳卒中後6時間までに行われたインターベンションは、脳卒中から3カ月後のアウトカムが良好(修正 Rankin尺度0~2)の患者の割合を有意に高めた(相対リスク(RR)1.47、95%信頼区間(CI)1.07~2.02)。インターベンションは治療から24時間以内の症候性頭蓋内出血のリスクに関して有意はなかった(RR 3.85、95%CI 0.91~16.36)*。選択された試験間に有意な異質性はなかった。*abstractでは” The intervention also significantly increased the risk of symptomatic intracranial haemorrhage within 24 hours of treatment (RR 3.85, 95% CI 0.91 to 16.36).”と記載されているが、本文では”There was a non-significant trend towards excess risk of symptomatic intracerebral haemorrhage in the treatment group (RR 3.85, 95%CI 0.91 to 16.36, P=0.07).”と記載されている。ここでは本文に従った。

訳注: 

監  訳: 江川 賢一,2011.7.12

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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