妊娠アウトカムを改善させるためのルーチンの妊娠前の健康増進

著者の結論: 

妊娠前の健康増進効果に関するエビデンスはほとんどなく、この領域の研究がもっと必要である。妊娠可能年齢の女性を対象に、一般集団での、あるいは妊娠と妊娠の間でのルーチンの妊娠前の健康増進の実施の普及を推奨するには、現時点ではエビデンスが不十分である。

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背景: 

修正可能と考えられる幾つかの危険因子は、不良な妊娠アウトカムと関連性があることが分かっている。これらの危険因子には、喫煙、過度の飲酒、栄養不良などがある。行動修正を奨励したり、危険因子の早期同定を可能にすることにより妊娠前の期間中にルーチンでの健康増進(教育、助言、総合的な健康評価を促す)が、妊娠アウトカムを改善させるために提唱されている。観察研究からの結果は有望であり、本レビューでは、妊娠前の健康増進に関するランダム化比較試験からのエビデンスを検討する。

目的: 

妊娠アウトカムを改善させるためのルーチンでの妊娠前の健康増進の有効性を、妊娠前ケアをしないまたは通常ケアと比較評価する。

検索方法: 

Cochrane Pregnancy and Childbirth Group's Trials Register(2009年2月)を検索した。

選択基準: 

妊娠前に危険因子を特定し、修正することを目的とした健康増進介入について検討したランダム化試験および準ランダム化試験。本レビューでは、ハイリスク群の女性よりも妊娠可能年齢のすべての女性に焦点を当てた。内科的、産科的または遺伝的なリスクが明らかな女性、あるいはハイリスク群へのプログラムの一環としてすでに治療を受けている女性に特化した介入についての試験は除外した。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが独立に適格性を評価し、データを抽出した。

主な結果: 

4件の試験(女性2,300例)を含めた。介入の範囲は簡単な助言から、数回のセッションにわたる健康と生活習慣に関する教育までに及んだ。大部分のアウトカムについて、データは個々の研究からのみ入手可能であった。1件の研究のみが妊娠を通じて追跡しており、早期産、先天奇形、在胎期間の体重について群間でのを示す強固なエビデンスはなかった。ひとつの所見(平均出生体重)のみが統計学的に有意に至っていた(平均差-97.00、95%信頼区間(CI)-168.05~-25.95)。妊娠アウトカムのデータはランダム化された女性の半数でしか入手できなかったため、この所見は慎重に解釈する必要がある。健康増進の介入により、暴飲率を下げるなどの母体行動の正の変化がみられるようなエビデンスがあった(リスク比1.24、95%CI 1.06~1.44)。全体的に、この領域の研究はほとんどなく、妊娠アウトカムに対する妊娠前の健康増進の効果に関するエビデンスはない。

訳注: 

監  訳: 江藤 宏美,2010.2.10

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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