急性虚血性脳卒中に対するエダラボン

著者の結論: 

解析に組み入れた試験バイアスリスクは中等度であり、サンプルサイズは小さかった。このため、本レビューのデータは、急性虚血性脳卒中に対してエダラボンが有効な治療法であるという傾向を示しているが、この傾向を確認するために、今後さらに大規模で質の高い試験を行う必要がある。

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背景: 

神経保護は、急性虚血性脳卒中の治療における有望な治療戦略である。エダラボン(Edaravone)は中国で広く使用されている神経保護薬であり、数件の研究によって、同薬が急性虚血性脳卒中に有益である可能性が示唆されている。

目的: 

急性虚血性脳卒中に対するエダラボンの有効性と安全性を評価する。

検索方法: 

Cochrane Stroke Group Trials Register(2010年11月)およびChinese Stroke Trials Register(2010年11月)を検索した。また、Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)(コクラン・ライブラリ2010年第4号)、MEDLINE(1950年~2010年11月)、EMBASE(1980年~2010年11月)、China National Knowledge Infrastructure(1979年~2010年11月)、Chinese Biomedical Database(1979年~2010年11月)、Chinese Evidence-Based Medicine Database(2010年11月)およびChinese Science and Technology Journals Database(1980年~2010年11月)も検索した。このほかにも既発表の試験、未発表の試験および現在進行中の試験を特定するため、参考文献リストおよび治験・臨床試験登録を検索し、製薬会社、研究者および著者に連絡をとった。

選択基準: 

急性虚血性脳卒中の患者を対象に、エダラボンとプラセボまたは非介入とを比較しているランダム化比較試験を組み入れた。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが解析に組み入れるための試験を選択し、試験の質を評価し、データを別々に抽出した。

主な結果: 

496例が参加している3件の試験を解析に組み入れたほか、4件の試験を評価保留とした。解析に組み入れた3件の試験はいずれも、エダラボンと他治療併用を他の単独治療と比較していた。3件の試験で用いられていたエダラボン注射薬の用量はすべて等しく、60 mg/日であった。3件の試験はいずれも14日間の治療コースが設定されている。解析に組み入れた試験のうち、追跡期間中に改良型Rankin評価尺度に基づいて定義した死亡や自立機能障害という既定の主要アウトカムを報告している試験はなかった。3件の試験は、さまざまな時点でエダラボンの効果を評価しており、異なる手法を用いていた。3件の試験はいずれも有害事象を報告した。治療群と対照群には認められなかった。全体的にみて、エダラボン群は顕著な神経学的改善が得られた参加者の比率が対照群よりも高いと考えられ、有意が認められた[リスク比(RR)1.99、95%信頼区間(CI)1.60~2.49]。

訳注: 

監  訳: 江川 賢一,2012.4.10

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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