赤血球同種免疫女性に対する健康アウトカム改善のための子宮内胎児輸血手技

女性と胎児の血液型不適合の場合(Rh因子又はケル血液型など)、赤血球同種免疫が生じる可能性がある。妊娠中、胎児血液は胎盤を通過し、母親の循環血中に入るため、免疫系が作用し抗体を産生するため、胎児の赤血球を破壊する可能性がある(溶血)。このため、胎児に貧血が生じ(赤血球数低値)、重度の場合、胎児が子宮内にいる期間に輸血が必要となる可能性がある(子宮内輸血)。女性44名を対象とする2件のランダム化比較試験のレビューにより、子宮内胎児輸血実施のための最善の手技についての情報が、現在不十分であることがわかった。試験のうち1件は、分娩中胎児を保持するための2種の異なる筋弛緩剤投与を比較する試験で、他1件は子宮内胎児輸血に免疫グロブリン静脈内注入を併用するもので、明らかなは認められなかった。

著者の結論: 

赤血球同種免疫による胎児貧血の女性のため、子宮内胎児輸血を実施する際の最適の手技を得るためのランダム化比較試験から質の高い情報はほとんど入手できなかった。各種手技関連の利益及び有害性を評価するさらなる研究が必要である。

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背景: 

女性と出産前の胎児の血液型が不適合の場合、赤血球同種免疫が生じる可能性がある。このため、胎児に貧血が生じ(赤血球数低値)、妊娠中、胎児が子宮内にいる期間に輸血による治療が必要となる可能性がある(子宮内輸血)。

目的: 

入手可能な最善のエビデンスを用いて、赤血球同種免疫女性に対する子宮内胎児輸血の各種手技の利益及び有害性を比較する。

検索方法: 

Cochrane Pregnancy and Childbirth Group's Trials Register(2012年6月13日)を検索した。

選択基準: 

選択のため、子宮内胎児輸血の各種手技を比較するランダム化比較試験を考察した(単独手技又はその他の手技との併用)。

データ収集と分析: 

レビューア2名が、選択及び方法の質の適切性を考慮に入れ、すでに記述されている適格基準に従った結果は考慮に入れず、試験を評価した。試験の類似性が十分であれば、試験データ統合のため固定効果モデルによるメタアナリシス使用を計画した。I2統計量を用いて統計的異質性を分析し、高度の統計的異質性が示された場合、ランダム効果モデルの使用を計画した。

主な結果: 

検索戦略により、検討対象として3件の試験中4件の論文が同定され、そのうち女性44名を対象とする2件が選択基準に合致した。子宮内胎児輸血及び免疫グロブリン静脈内注入と、子宮内胎児輸血単独を比較する1件の試験及び、アトラクリウム及びパンクロニウムの使用を比較する1件の試験を同定した。報告されたアウトカムのいずれにも統計学的有意を認めなかった。

訳注: 

監  訳: 江藤 宏美,2013.1.30

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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