褥瘡治療のための体位変換

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褥瘡(床ずれ、褥瘡性潰瘍としても知られる)は過剰な圧力や剪断力によって生じる局所部位の組織損傷である。褥瘡は主に、可動性の低下、神経障害又はその両者を有する患者に生じる。臥位又は座位によって生じる身体の特定部位への圧迫は、罹患部位の酸素及び栄養素の欠乏を引き起こす。身体の一部の除圧や圧再分配を目的として患者を異なる体位に動かすことを体位変換という。褥瘡を既に保有する患者が、臥位を続けるか又は罹患部位に体重をかけ続けると、組織への血流が不足し、治療に必要な創傷への酸素又は栄養素の供給、創傷からの老廃物の除去がされなくなる。自力で体位変換ができない患者は補助を必要とする。国際的ベストプラクティスでは、褥瘡管理戦略の不可欠な構成要素として体位変換を行うよう提唱している。本レビューのレビューアらは、本レビューの選択基準を満たした研究を同定しなかった。従って、患者の体位変換が褥瘡の治癒率にを生じるか否かは不明である。

著者の結論: 

褥瘡を既に保有する患者に対する管理計画の構成要素として体位変換の実施が広く普及しているにも関わらず、患者の体位変換が褥瘡の治癒率に与える効果を評価するランダム化試験は存在しない。従って、患者の体位変換が褥瘡の治癒率を改善するかどうかについて結論は得られない。褥瘡治癒に対する体位変換の効果を評価する必要がある。

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背景: 

臥位又は座位によって生じる身体の特定部位への圧迫により、酸素及び栄養素の供給が減少し、老廃物の排出が妨げられ細胞傷害が生じる。褥瘡を既に保有する患者が、臥位を続けるか又は罹患部位に体重をかけ続けると、組織への血流が不足し、治療に必要な創傷への酸素又は栄養素の供給、創傷からの老廃物の除去がされなくなる。自力で体位変換ができない患者は補助を必要とする。国際的ベストプラクティスでは、褥瘡管理戦略の不可欠な構成要素として体位変換を行うよう提唱している。本レビューは、褥瘡患者の管理における体位変換の役割を明らかにするために実施された。

目的: 

患者の体位変換が、褥瘡の治癒率に与える効果を評価する。

検索方法: 

第2回目の本更新では、Cochrane Wounds Group Specialised Register (2012年5月23日に検索)、Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)(コクラン・ライブラリ2012年第5号)、Ovid MEDLINE(2010年~2012年5月第2週)、Ovid MEDLINE (In-Process & Other Non-Indexed Citations、2012年5月22日)、Ovid EMBASE(2010年~2012年第20週)及びEBSCO CINAHL (2010年~2012年5月16日)を検索した。

選択基準: 

体位変換ありと体位変換なしを比較するランダム化比較試験(RCT)又は、異なる体位変換法を比較するRCT又は、異なる体位変換実施頻度を比較するRCTを本レビューで検討した。比較臨床試験(CCT)はRCTが存在しない場合にのみ考慮した。

データ収集と分析: 

レビューア2名が独立して、検索戦略により同定された表題及び、入手可能であれば、抄録の適格性を評価した。該当可能性のある研究の完全版を入手し、レビューア2名が独立してこれらの研究選択基準を満たしているかどうか選別した。

主な結果: 

選択基準を満たした研究は同定されなかった。

訳注: 

監  訳: 浅田 真弓,2013.1.30

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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