青年の1型糖尿病に対するインスリン療法に追加したメトホルミン

著者の結論: 

インスリン療法へのメトホルミンの追加に関して、1型糖尿病のコントロール不良の青年を対象に代謝コントロールの改善を示唆する多少のエビデンスがある。これらの患者における代謝コントロール、健康関連の生活の質、罹病率と死亡率に対する長期効果を明らかにするためには、長期的な大規模な研究に基づく強固なエビデンスが必要である。

アブストラクト全文を閲覧
背景: 

1型糖尿病の青年の場合、インスリン抵抗性がおそらく代謝コントロールの悪化に関与している。1型糖尿病においてインスリン感受性を改善させるためのインスリン療法へのメトホルミンの追加は、ほんの少数の患者を対象とした数少ない試験、または短期間の非対照研究で評価されているのみである。現時点では、1型糖尿病のある青年を対象としたインスリン療法へのメトホルミンの追加についてのエビデンスを要約したシステマティック・レビューはない。

目的: 

1型糖尿病のある青年を対象にインスリン療法に追加したメトホルミンの効果を評価する。

検索方法: 

コクラン・ライブラリ、MEDLINEおよびEMBASEを検索した。進行中の試験のデータベース、関連性のある総説の参照文献リストも検索し、専門家、著者、および製造業者に問い合わせた。

選択基準: 

1型糖尿病のある青年を対象に、3ヵ月以上にわたってインスリン療法へのメトホルミンの追加をインスリン単独療法と比較していたすべてのランダム化比較試験(RCT)を含めた。クロスオーバー試験および準ランダム化比較試験は除外した。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが独自にすべての抄録を読み、試験の質を評価し、データを抽出した。欠損データについて著者に問い合わせた。

主な結果: 

コントロール不良の1型糖尿病の青年を対象に、3ヵ月にわたってインスリン療法に追加したメトホルミンの効果を検討していた2件の試験(参加者60例)のみを含めることができた。データに臨床的および方法論的な異質性があったため、メタアナリシスはできなかった。両研究とも、1型糖尿病があり代謝コントロール不良の青年においてメトホルミンの追加が糖化ヘモグロビンA1c(HbA1c)を低下させることを示唆していた。いずれの研究もインスリン感受性、身体成分、血清脂質の改善については記載していなかったが、1件の研究はインスリン容量が10%減少していた。有害作用は両研究とも主に胃腸有害作用であり、1件の研究では低血糖があった。健康関連の生活の質、総死亡率または罹病率に関して利用可能なデータは現時点ではない。

訳注: 

監  訳: 曽根 正好,2009.5.13

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

Tools
Information
Share/Save