母乳哺育期間延長のための新しい母子の分離ケアと同室ケアとの比較

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病院が新生児出産の場になり始めた20世紀初め、母子の分離ケアの実践が先進工業国で確立されてきた。新生児は乳児室で母親とは離れ、安全に預けられていた。新生児は必要に応じて又は予定の母乳時間に母親の部屋に連れていくか、又は母親が授乳のため乳児室に行った。母乳分泌は出産直後に始まり、母親の身体的及び心理的状態、母乳の哺育頻度、効率のよい新生児の吸啜、新生児の泣く姿や泣き声の刺激、自信及び、新生児との接触により調節される。 出産後の新生児の母親からの分離により母乳哺育の頻度が減少し、母親の分泌する母乳量が減少する可能性がある。一方で、入院期間中を通し新生児が母子とともに過ごす場合、母乳の哺乳頻度が増えるため、親密度及び結びつきが高まると思われる。多数の病院で現在は、特に1991年の世界保健機関(WHO)とユニセフ(UNICEF)によるBaby Friendly Hospital Initiative(赤ちゃんに優しい病院イニシアチブ)展開以来、母子を同室で過ごさせるようになっている。このシステマティックレビューは、出産後の分離ケア又は同室ケアのいずれが帰宅後の完全母乳哺育期間を延長させるかについて、ランダム化比較試験から判断しようとするものである。 本レビューには、出産後4日の完全母乳哺育期間を検討し、分離ケア群でその期間がより短いと結論づけた1件の試験(女性176名)を組み入れた。本レビューのプロトコルに、所定の重要主要アウトカム及び副次アウトカムが全て報告されているわけではない。従って、分娩後の母子分離ケアを支持する又は否定するエビデンスが不足し、いずれを実施する根拠も得られなかった。

著者の結論: 

母子分離ケアと同室ケアを支持する又は否定するエビデンスはほとんど得られなかった。従って、いずれかを実践する根拠は見いだせない。母子の完全同室ケアと一部同室ケア、又は分離ケアについて、所定の全主要アウトカム及び副次アウトカムを検討する1件の適切にデザインされたRCTを推奨する。

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背景: 

新しい母子の分離ケアにより、母乳哺育期間及び母乳育児に影響が及ぶ可能性があり、新生児及び母親のアウトカムに有害な作用がもたらされる可能性がある。

目的: 

母乳哺育期間に対する母子分離ケアと母子同室ケアの影響を評価する(完全母乳哺育期間及び全母乳哺育期間)。

検索方法: 

Cochrane Pregnancy and Childbirth Group's Trials Register(2012年6月30日)を検索した。

選択基準: 

病院での出産及び在宅出産後の母子分離ケアと同室ケアの母乳哺育期間、6ヵ月後の母乳哺育率及び新生児/母親の有害なアウトカムに対する影響を検討するランダム化比較試験(RCT)又は準ランダム化RCT。

データ収集と分析: 

レビューア2名が別々に選択のため試験を評価し、試験の質を評価した。レビューア2名がデータを抽出した。データの精度をチェックした。

主な結果: 

同定可能な19件の試験から23の報告書を入手した。評価後、1件の試験(女性176名)が本選択基準に合致した。 1件の試験により、4ヵ月間の母乳哺育期間の全中央値が報告された。分離ケア群の退院前の完全母乳哺育期間(分娩後4日目)は同室ケア群より有意に低かった[リスク比(RR)0.58,95%CI 0.42~0.81、1件の試験、女性141名]。

訳注: 

監  訳: 江藤 宏美,2013.1.30

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

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