糖尿病のための低グリセミックインデックス食またはグリセミックロード食

著者の結論: 

低GI食は、糖尿病において危険にさらす低血糖イベントを伴うことなく血糖コントロールを改善できる。

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背景: 

血糖コントロールを改善させることにより合併症の発現や進行が軽減されるため、糖尿病管理は血糖値を正常化させることが目標となる。栄養因子は血糖値に影響を及ぼすが、現時点では糖尿病のための至適食事療法への共通のアプローチはない。グリセミックインデックス(GI)が糖尿病食の立案にどの程度有用であるかについては議論がある。食事を通じての血糖コントロールの改善は、投薬を最小限にし、糖尿病の合併症リスクを軽減し、生活の質を改善し、平均余命を延長させ可能性がある。

目的: 

糖尿病のある人を対象に、血糖コントロールに対する低グリセミックインデックス食または低グリセミックロード食の効果を評価する。

検索戦略: 

言語に制約を設けずに、コクラン・ライブラリ、MEDLINE、EMBASEおよびCINAHLを電子検索した。

選択基準: 

糖尿病が至適コントロールされていない1型または2型糖尿病の人を対象に、低グリセミックインデックス食または低グリセミックロード食を、高いグリセミックインデックス食またはロード食、その他の食事と比較していた4週間以上にわたるランダム化比較試験を評価した。

データ収集と分析: 

標準化したデータ抽出様式を用いて2名のレビューアが選択した各研究について、研究対象集団、介入、アウトカムに関するデータを独自に抽出した。

主な結果: 

402例の参加者を対象とした11件の関連性のあるランダム化比較試験を同定した。試験の並行群で糖化ヘモグロビンA1c(HbA1c)の有意な減少があり、重み付け平均差(WMD)は-0.5%、95%信頼区間(CI)- 0.9~-0.1、P=0.02であった。試験のクロスオーバー群でのWMDは-0.5%、95%CI -1.0~-0.1、P=0.03であった。1件の試験で、低GI食の方が高GI食よりも低血糖エピソードが有意に少なかった(1ヵ月患者1例当たり-0.8エピソードの差、P<0.01)。別の研究では、1ヵ月に15回を超える高血糖エピソードを報告した参加者の割合は、低GI食の方が計量された炭水化物交換食よりも低かった(35%に対して66%、P=0.006)。死亡率、罹病率、費用に関して報告していた研究はなかった。

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