成人潜在性自己免疫性糖尿病(LADA)に対する介入

著者の結論: 

2件の研究では、SUによりインスリン依存が早まることが示され、かなりな異質性が認められた4件の研究のメタアナリシスでは、LADA患者にSUを処方した場合、インスリンと比較して代謝コントロールが不良であることが示された。1件の研究では、ビタミンDとインスリンの併用はLADAにおける膵β細胞を保護する可能性が示された。GAD65などの新規治療薬は、特定の用量(20μg)で空腹時および刺激時Cペプチド値を維持することが示されている。しかしながら、LADAに対するその他の治療を支持または否定する有意なエビデンスはない。

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背景: 

成人潜在性自己免疫性糖尿病(LADA)は緩徐に発症する1型糖尿病である。

目的: 

LADAに対して用いられた介入を比較すること。

検索方法: 

電子データベース検索により研究を入手し、ハンドサーチ、学会議事録および専門家との協議により補充した。最終検索は2010年12月に実施した。

選択基準: 

LADAまたは抗体陽性2型糖尿病に対する介入を評価したランダム化比較試験(RCT)および比較臨床試験を選択した。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが別々にデータを抽出し、バイアスのリスクを評価した。研究は、メタアナリシスまたは記述的な方法で要約した。

主な結果: 

検索により13,306件の引用を同定した。3カ月から10年の追跡調査が実施された参加者1,019例(1,060例がランダム化)に関する15件の発表文献(研究10件)を選択した。研究はすべてバイアスのリスクが高かった。スルフォニル尿素(SU)とインスリンの併用では、3カ月(研究1件、15例)および12カ月(研究1件、14例)およびフォローアップの時点で、インスリン単独と比較して代謝コントロールに有意な改善はみられなかった。SU(メトホルミンとの併用または非併用)は、インスリン単独と比較して、代謝コントロールが不良であった[ベースラインと研究終了時の糖化ヘモグロビンA1c(HbA1c)の平均差、インスリンを経口投与と比較:-1.3%、95%信頼区間(CI)-2.4~-0.1、P = 0.03、参加者160例、研究4件、フォローアップ/投与期間:12、30、36および60カ月;しかしながら、かなりの異質性が認められた]。 さらに、SUによりインスリン依存が早まることを示すエビデンスが認められ[2年後にインスリンを必要とする割合は、SU群で30%、従来治療群で5%(P < 0.001)]、インスリン依存と分類された患者は64%(SU群)および12.5%(インスリン群、P = 0.007)であった。 空腹時Cペプチドに影響を及ぼした介入はなかったが、インスリンではSUよりも良好にCペプチドの刺激が維持されていた[研究1件、平均差7.7ng/mL(95%CI 2.9~12.5)]。GAD65(水酸化アルミニウム配合グルタミン酸脱炭酸酵素)の5年間にわたるフォローアップでは、空腹時および刺激時Cペプチド値(20μg群)の改善が5年後に維持されていた。 漢方薬を用いた1件の研究(74例)における短期的な(3カ月)フォローアップでは、インスリン単独と比較して、空腹時ペプチド値の改善における有意は認められなかった[0.07μg/L(95%CI -0.05~0.19)]。 ビタミンDをインスリンと併用した1件の試験では、12カ月後のフォローアップの時点で、ビタミンD群では空腹時Cペプチド値に変化はなかったが、インスリン単独群では空腹時Cペプチド値が低下していた(368~179pmol/L、P = 0.006)。研究間および研究選択基準にかなりの異質性が認められため、研究の比較は困難であった。健康に関連するQOL、糖尿病の合併症、費用または公共医療の利用、死亡率に関する情報はなく、有害事象に関するエビデンスは限られていた(経口薬またはインスリンに関する研究では、重度の低血糖エピソードに関する有害事象の報告はなかった)。

訳注: 

監  訳: 曽根 正好,2011.12.15

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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