癌に関連した疲労に対する運動の効果

疲労、疲れは癌および癌の治療の副作用として認識されています。昔は、癌の人は疲れを感じた場合に安静にするよう勧められてきました。癌の人では、治療または病気の副作用に対処するのに役立つような援助や忠告を十分に受けることが重要です。身体運動は、癌に関連した疲労を少なくするのに役立つと示唆されてきました。治療中と治療後の両方で運動の効果を検討するため、多数の研究が行われてきました。このレビューは、癌関連の疲労に対する身体運動の効果を評価するため行われました。総参加者数4,068名の56件の研究をこのレビューに組み入れました。結果では、有酸素ウォーキングおよび有酸素自転車運動などの身体運動は癌の治療中および治療後の両方において疲労を少なくするのに役立つと示唆されました。疲労に対する運動の利益は、特に乳癌および前立腺癌の人で認められました。

著者の結論: 

本更新レビューにより、癌治療中および治療後、癌、特に固形腫瘍に関連した疲労を有する個人に対し、有酸素運動は有益であると考えられるというより確かな結論を出すことができた。運動介入の至適な種類、強度および時期を明らかにするため、さらなる研究が必要である。

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背景: 

癌関連疲労は、癌およびその治療に関連した重要な症状として認識されている。多数の研究が、癌関連疲労の減少における身体活動の効果について検討している。これは、コクラン・ライブラリ(2008年第1号)で発表されたコクラン・レビュー原著の更新である。原著レビューでは、アジュバント治療中および治療後の両方で癌における疲労に対する身体活動によるある程度の利益が同定された。エビデンスにおいて多数の限界を同定し、更新レビューの明らかな正当性が示された。

目的: 

癌治療中および治療後両方における、癌関連疲労に対する運動の効果を評価すること。

検索方法: 

キーワードを用いて、Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)(2011年第1号)、MEDLINE(1966~2011年3月)、EMBASE(1980~2011年3月)、CINAHL(1982~2011年3月)、British Nursing Index(1984年1月~2011年3月)、AMED(1985~2011年3月)、SIGLE(1980~2011年3月)、およびDissertation Abstracts International(1861~2011年3月)を検索した。組み入れについて同定した研究すべて、および関連性のあるレビューの参考文献リストも検索した。さらに、関連性のある雑誌をハンドサーチし癌関連疲労の分野の専門家に連絡を取った。

選択基準: 

成人での癌関連疲労に対する運動の効果を検討しているランダム化比較試験(RCT)を検索し選択した。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが別々に研究のバイアスリスクを評価し、事前に規定した基準によりデータを抽出した。データが利用可能な場合は、ランダム効果モデルを用いて疲労に対するメタアナリシスを実施した。

主な結果: 

本更新では、組み入れについて総計56件(原著レビューから28件、更新検索から28件)の研究(参加者4,068名)を同定し、大多数は乳癌の参加者を対象にf実施されていた(28件の研究)。38件の比較を組み入れたすべての疲労に関するデータのメタアナリシスにより、運動介入を受けた参加者1,461名、コントロールの参加者1,187名についてデータを得た。介入期間終了時、運動はコントロール介入に比べて統計学的に有効であった[標準化平均差(SMD)-0.27、95%信頼区間(CI)-0.37~-0.17]。疲労に対する運動の利益は、アジュバント療法中またはその後に行われた介入で認められた。診断との関係では、乳癌および前立腺癌で疲労に対する運動の利益を同定したが血液学的悪性疾患では認めなかった。最後に、有酸素運動により疲労が有意に減少したが、レジスタンストレーニングおよび運動の代替法では有意性に達しなかった。

訳注: 

監  訳: 林 啓一,2014.1.28

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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