直腸癌に対する直腸切除術後の再建法

著者の結論: 

幾つかのランダム化比較試験において、消化管の再建術から最低18カ月間は、結腸癌患者の腸管機能アウトカムについてCJPはSCAよりも優れていることが示された。小規模ランダム化比較試験において、TCおよびSTE吻合は、CJPと比較して、腸管機能アウトカムが同様であることが示された。これら代替の結腸肛門吻合戦略の役割を決定するためには、さらなる研究が必要である。

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背景: 

全直腸間膜切除(TME)は、直腸癌患者の生存の改善および局所再発の減少をもたらしてきた。TME後の直接的な結腸肛門吻合は、頻便、便意切迫および便失禁などの問題につながる可能性がある。腸管機能を改善させる目的の、代替の手術戦略としてJ型結腸嚢、側端吻合および横行結腸再建が開発されてきた。

目的: 

研究の目的は、どの直腸再建法が最良の術後腸管機能をもたらすかを決定することである。

検索方法: 

2名のレビューアが独自に、最初から2006年2月14日まで文献(MEDLINE、Cancerlit、EmbaseおよびCochrane Databases)をシステマティックに検索した。

選択基準: 

下部直腸切除および結腸肛門吻合を施行した直腸癌患者を2種類以上の吻合法にランダム化した、ランダム化比較試験。さらに、術後腸管機能を評価した文献を選択した。

データ収集と分析: 

選択の候補として同定した研究は、2名以上のレビューアが独自にその適格性を評価した。選択した試験のデータは、標準化したデータ収集様式を用いて収集した。腸管機能アウトカムについてデータを収集して定性的に要約し、メタアナリシスの統計手法を用いて術後合併症に関するデータを統合した。

主な結果: 

関連性のある研究2609件中16件のランダム化比較試験(RCT)が今回の選択基準に合致した。9件のRCT(n=473)で、直接的な結腸肛門吻合(SCA)とJ型結腸嚢(CJP)が比較されていた。術後18カ月までは、大半の研究において排便回数、便意切迫、便失禁および止瀉薬の使用についてCJPの方がSCAよりも優れていた。長期の腸管機能アウトカムが評価された患者は非常に少なかったため、この優位性が術後18カ月以降も持続するかどうかを決定することはできなかった。4件のRCT(n=215)で、側端吻合(STE)とCJPが比較されていた。これらの研究では、これら2つの術式の間で腸管機能アウトカムには示されなかった。同様に、3件のRCT(n=158)で、横行結腸再建(TC)とCJPが比較されていた。同様に、これらの小規模研究で腸管機能アウトカムにはなかった。全体として、いずれの吻合戦略でも、術後合併症に有意なはなかった。

訳注: 

監  訳: 柴田 実,2008.7.12

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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