急性特発性脳内出血に対する止血薬療法

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著者の結論: 

臨床診療における止血薬は急性特発性ICHの治療に推奨できないが、大規模なRCTの実施が正当化される。

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背景: 

特発性(非外傷性)脳内出血(ICH)の量はそのアウトカムに影響を及ぼし、またICHの3分の1が発症後24時間以内に出血が3分の1拡大することから、早期の止血薬療法がアウトカムを改善すると思われる。本レビューは、2006年に最初に発表されたコクラン・レビューの改訂である。

目的: 

ランダム化比較試験(RCT)のデザインにおける急性ICHに対する止血薬療法の臨床的有効性と安全性を検討する。

検索方法: 

Cochrane Stroke Group Trials Register(最終検索2009年6月26日)、Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)(コクラン・ライブラリ2009年第2号)、MEDLINE(1966年~2009年6月)およびEMBASE(1980年~2009年6月)を検索した。さらに、発表済みの研究、進行中の研究および未発表の研究を同定するために、関連性のある論文の参考文献を詳細に調べ、国際的な臨床試験登録および研究を検索し、著者および製薬企業に問い合わせた。

選択基準: 

急性ICHに対する止血薬療法をプラセボまたはオープン・コントロールと比較しており、関連性のある臨床アウトカム指標を用いたランダム化比較試験(RCT)を検索した。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが独立に選択基準を適用し、関連性のある研究をレビューし、データを抽出した。

主な結果: 

ICH発症後4時間以内の年齢18歳以上の成人1,398例を対象とした5件の第II相RCTおよび1件の第III相RCTを見いだした。423例の参加者にプラセボ、975例に止血薬(2例にイプシロンアミノカプロン酸(EACA)、973例に遺伝子組換え活性化第VII因子(rFVIIa))が投与されていた。止血薬はICH後90日致命率を有意に低下させず(リスク比[RR]0.85、95%信頼区間[CI]0.58~1.25)、rFVIIaはICHから90日以内の死亡や修正ランキンスケールで評価した自立能力障害(グレード4~6)を有意に減少させなかった(RR0.91、95%CI 0.72~1.15)。rFVIIaを投与した参加者で重篤な血栓塞栓性有害事象が起こる傾向が高かった(RR 1.37、95%CI 0.74~2.55)。

訳注: 

監  訳: 江川 賢一,2010.2.10

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

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