水パイプタバコの利用者は禁煙支援介入によって禁煙できるのか?

背景

水パイプタバコは、東地中海沿岸地域を中心に伝統的に行われてきたタバコの使用方法であるが、現在では世界的に拡がっている。水パイプタバコは特定の社交的状況で使われ、家庭で友人や家族と共有したり、バーやカフェで常連客に提供されることが多い。水パイプタバコを吸う人の多くは、データがないにもかかわらず、煙が水を通過して使用者に届くため、他のタバコの吸い方よりも致死性が少なく、依存性も低いと考えている。少なくとも一部の文化圏では、女性や少女が他のタバコよりも水パイプタバコを使う傾向があり、若い喫煙者の間で人気がある。現在のところ、水パイプタバコは他の種類のタバコと同様に依存性があり、一部の使用者は自力で禁煙することが難しく、紙巻きタバコ喫煙者と同様の健康上のリスクがある可能性が示唆されている。

研究の特徴

2015年6月に、Cochrane Tobacco Addiction Review Group specialized registerにて比較対照試験を検索した。更に、MEDLINE、EMBASE、PsycINFO、CINAHLなどの多くの電子データベースで、水パイプタバコの使用に関するさまざまな名称や語('waterpipe'or 'narghile' or 'arghile' or 'shisha' or 'goza' or 'narkeela' or 'hookah' or 'hubble bubble')を用いて検索した。出版言語は問わず、特に水パイプタバコの使用が広まっている地域で、公開・未公開の研究を検索した。水パイプタバコ使用者の禁煙を支援する行動療法を検証した研究を3件確認した。2つは水パイプタバコに特化した介入研究であり、1つはタバコの種類を問わない介入研究である。1つの小規模なパイロット研究は、米国で行われ、水パイプタバコを使用している91人の大学生にパワーポイントのプレゼンテーションをオンラインで配信した。もう1つの研究は、パキスタンの33の診療所において、結核の疑いがある人からリクルートして、264人の水パイプタバコ使用者の研究参加者データを二次分析したものである。各診療所は、行動療法または対照(通常のケア)、もしくは、行動療法と薬物療法(ブプロピオン)の併用または対照(通常のケア)のいずれかに無作為に割り付けられた。3番目の研究はエジプトで行われた、タバコと水パイプタバコの両方の喫煙者を対象とした地域介入プログラムであった。

主な結果

3つの研究において、水パイプタバコをやめた参加者の割合は、介入群の方が対照群よりも高かったが、これは2つの試験でのみ統計的に有意な結果であった。行動療法またはブプロプリオンと組み合わせた行動療法を受けた人は、通常ケアを受けた人に比べて、6ケ月間の観察で水パイプタバコをやめる傾向が高いことがわかった。エジプトの調査では、水パイプタバコを吸っていた男性は、対照の村よりも介入が行われた村の方が、1年間の追跡調査で禁煙する可能性が高かった。これらの研究は、禁煙介入が水パイプタバコ使用者の禁煙を助ける可能性があることを示唆する裏付けとなっている。ただし、更なる大規模な研究が必要である。

エビデンスの質

これらの試験はいずれも比較的小規模な研究であり、少なくとも1つの研究のバイアスリスクが高いため、エビデンスの質は非常に低いと評価された。

訳注: 

《実施組織》星佳芳 翻訳、清原康介 監訳[2022.12.19]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD005549.pub3》

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