肩甲難産を予防するための分娩時の介入

著者の結論: 

1件の研究で予防群に帝王切開率が上昇していたが、肩甲難産を予防するための予防的手技の使用を支持または否定する明確な所見はない。含めた両研究はともに、母体傷害、心理的アウトカム、出産の満足度などの重要な母体アウトカムを検討していなかった。肩甲難産の発現頻度率は低いため、さらに大規模なサンプル・サイズによりそのような手技の使用を検討する試験が必要である。

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背景: 

肩甲難産の早期管理には、児の肩を用手操作し、母体骨盤の機能的サイズを大きくさせることによって難産を軽減することを目的にさまざまな手技の施行が含まれる。

目的: 

肩甲難産の予防における予防的手技の効果を評価する。

検索方法: 

Cochrane Pregnancy and Childbirth Group's Trials Registerを検索した(2009年5月)。

選択基準: 

手技および母体の分娩体位による予防的実施を、ルーチン・ケアまたは標準的ケアと比較したランダム化比較試験

データ収集と分析: 

2名のレビューアが独立に除外基準を適用し、試験の質を評価し、データを抽出した。

主な結果: 

2件の試験を含めた。1件の試験は、巨大児を出産する可能性のある女性185例を対象にMcRobertの手技および恥骨上部の圧迫を無予防的手技と比較していた。また別の1件の試験は、40例の女性を対象にMcRobertの手技を砕石位と比較していた。2件の試験結果は統合しないことにした。1件の研究で、予防群では肩甲難産が5例であったのに対し、治療(コントロール)群では15例であったことが報告されていた(リスク比(RR)0.44、95%信頼区間(CI)0.17~1.14)。別の1件の研究は、予防群および砕石位群の両者とも1件の肩甲難産が報告されていた。最初の研究では、予防群は帝王切開が有意に多く、これらを結果に含めた場合に予防群で肩甲難産が有意に少ない結果であった(RR 0.33、95%CI 0.12~0.86)。この研究では児頭娩出後に治療手技を必要とした女性は介入群で3例であったのに対し、コントロール群では13例であった(RR 0.31、95%CI 0.09~1.02)。1件の研究は分娩時の損傷の報告はなく、また低いアプガースコアも記録されていなかった。別の研究はコントロール群の児1例に上腕神経叢損傷があり(RR 0.44、95%CI0.02~10.61)、また児1例は5分アプガースコアが7未満であった(RR 0.44、95%CI 0.02~10.61)。

訳注: 

監  訳: 江藤 宏美,2010.2.10

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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