小児の急性治療のための気管支拡張療法の実施における市販スペーサーと自家製スペーサーとの比較

著者の結論: 

全般的に、本レビューでは、急性喘息または下気道閉塞発作のある小児に対して実施する気管支拡張療法の2つの方法に統計学的な有意差は認められなかった。本レビューの選択基準に適合したランダム化比較試験は少数でイベント数が少なく、選択した研究の大部分は関心の持たれる主要アウトカムやその他の臨床的に重要なアウトカムが欠如しているため、本結果の解釈および適用には注意が必要である。自家製スペーサーを使用中の年少児におけるフェイスマスクの必要性についても実地で考慮する必要がある。

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背景: 

小児喘息の急性増悪に対する治療では、速効性吸入β2刺激薬を送達するスペーサーを併用した定量吸入器(MDI)の使用が、強固なエビデンスにより支持されている。しかしながら、発展途上国では市販のスペーサーは高価かつ入手困難であるため、その使用は限られている。

目的: 

本レビューの目的は、喘鳴または喘息が急性増悪した小児を対象に、自家製スペーサーを用いて定量吸入器でβ2刺激薬を吸入した場合と市販スペーサーを用いた場合の反応を比較することであった。

検索戦略: 

Cochrane Airwyas Group Register(2010年8月まで)、コクラン・ライブラリのCochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)、MEDLINE、EMBASE、CINHAL、LILACS、および選択した研究の参照文献リストを検索した。その後追加された発表済または未発表のデータを同定するため、著者、著名な専門家および吸入用スペーサーを製造する製薬会社に連絡をとった。言語には制約を設けなかった。

選択基準: 

喘鳴または喘息が急性増悪した18歳未満の小児を対象に、自家製スペーサーを取り付けたMDIを用いて吸入された速効性β2刺激薬による治療とMDIと市販スペーサーを用いた同様の気管支拡張療法を比較した試験。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが別々にデータを抽出し、試験の質を評価した。欠損データは著者から入手するか、発表論文から入手できる情報に基づき推定した。

主な結果: 

658例の参加者に関する6件の試験が選択基準に適合した。本レビュー時点で5件の試験が全文で発表されており、1件は抄録形態でのみ入手可能であった。入院の必要性(RR 1.00、95%CI 0.63~1.59)、酸素飽和度の変化(SMD -0.03、95%CI -0.39~0.33)、PEFR(SMD 0.04、95%CI -0.72~0.80)、臨床スコア(WMD 0.00、95%CI -0.37~0.37)、追加治療の必要性(RR 1.18、95%CI 0.84~1.65)、および1分あたりの心拍数の変化(SMD 0.09、95%CI -0.24~0.42)について、2つの投与方法に有意差は認められなかった。

訳注: 

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