早期卵巣癌に対する腹腔鏡手術と開腹手術の比較

背景
ステージI期の卵巣癌とは、腫瘍が片方もしくは両方の卵巣に存在し、リンパ節や体の他の部位に広がっていないものを指す。卵巣癌の約25%が早期に診断される。これは偶然の発見によることが多い。手術による進行期分類の目的は、確定診断を行い、癌の広がりを評価し、腫瘍をできる限り取り除くことである。目に見える腫瘍をすべて取り除くことは卵巣癌患者の生存を長くするため、特に重要である。

レビューの論点
このレビューの目的は、早期卵巣癌に対する腹腔鏡下手術に開腹手術と同等の安全性と有効性があるかを明らかにすることである。2種類の手術を比較した質の高い研究のみを対象とすることを目指した。腹腔鏡下手術を受けた患者の生存期間が開腹手術を受けた患者と同等であるか、癌が悪化するまでの期間に差があるかを知ろうとした。また、出血量や他の合併症についてこの2種類の手術がどのように比較されているか関心をもった。

主な結果とエビデンスの質
1990年から2016年までの文献を検索した。残念ながら、これらの方法を比較する質の高いランダム化比較試験は見つからなかった。

訳注: 

《実施組織》内藤未帆、杉山伸子 翻訳[2020.07.26]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD005344.pub4》

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