背部痛の予防と治療のための足底板

著者の結論: 

足底板は背部痛の予防に有効ではないとする強固なエビデンスがある。腰痛治療としての足底板に関する現時点のエビデンスから、何ら結論は導き出せない。

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背景: 

背部痛の予防や治療のために使用する足底板についての理論的および臨床的な知見が欠けている。背部痛の高い罹患率および靴の足底板の普及は、本実践に関するシステマティック・レビューを必要としている。

目的: 

非特異的背部痛の予防および治療における靴の足底板の有効性を、プラセボ、無介入、その他の介入と比較し判定する。

検索方法: 

以下のデータベースを2008年10月まで検索した:Cochrane Back Group Trials RegisterおよびCochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)、MEDLINE、EMBASE、CINAHL。総説論文、ガイドライン、および選択した試験の各参考文献リストをレビューした。引用文献を追跡し、本分野の専門家に問い合わせた。

選択基準: 

背部痛の予防および治療のために特注した足底板または特注でない足底板の使用を、プラセボ、無介入、その他の介入と比較し検討していたランダム化比較試験を含めた。研究アウトカムには、以下のひとつが少なくとも含まれている必要があった:自己報告による背部痛の発現または医師の診断、疼痛強度、背部痛の期間、欠勤、機能的状態。脚長不等を治療するためにデザインされた足底板に関する研究は除外した。

データ収集と分析: 

1名のレビューアが検索を実施し、検索した参考文献を著者、施設および雑誌について盲検化した。2名のレビューアが独自に関連性のある論文を選択した。別の2名のレビューアが別々に方法論の質と臨床的関連性を評価し、標準化した様式を用いて各試験からデータを抽出した。

主な結果: 

6件のランダム化比較試験選択基準に適合した。うち3件(参加者2061例)で背部痛の予防が検討されており、3件(参加者256例)では一次予防または二次予防目的であるか治療目的であるかが明確でない混合集団を対象としていた。治療に関する試験は見出せなかった。足底板の使用は背部痛を予防しないことを示す強固なエビデンスがある。足底板は背部痛を軽減する、または逆に下肢に疼痛が移ることを示す限定的なエビデンスがある。限界介入とアウトカム指標が異質であり、盲検化が不良であり、報告が不良な質の低い研究を含んでいるため、本レビューは文献に限界があることを大きく反映している。

訳注: 

監  訳: 内藤 徹,2009.5.13

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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