双極性障害の家族介入

双極性障害における主要な治療法は薬物療法である。しかし、薬物療法だけでは、双極性障害を治療するのに十分ではない。統合失調症や不安障害などの精神疾患に対する心理社会的介入に関する研究では、心理社会的介入が効果的な治療法であることを明らかにしている。研究結果は、心理社会的介入が双極性障害を抱える人々にも効果がある可能性を示唆している。家族の役割は双極性障害を抱える人々の治療において重要であり、家族が効果的に機能することは当事者の心理的なバランスを維持することに役立つ。このシステマティックレビューでは、双極性障害を抱える人々、および/またはその家族と援助者に対する心理社会的な家族介入の有効性を調査した。7件のランダム化比較試験(393人の参加者)がこのレビューに含まれ、その全てが心理教育的介入を評価していた。5件の研究が、家族介入を家族介入なしと比較し、3件の研究が家族介入のある種類もしくは提供方法を別の家族支援を比較していた。調査で使用された評価基準、評価項目の違いにより、メタアナリシスを実行することができなかった。個々の研究の結果は、薬物療法に家族介入を加えた場合の有意な効果を示唆するものではなかったが、不十分ではあるが、日常の実践に一般化できる結論を導き出す程度の証拠を提供している。今回の十分に研究されていない重要なテーマにおいて、適切なランダム化比較試験の方法論を使用し、心理教育以外の家族介入を評価するさらなる研究が求められている。

訳注: 

《実施組織》相田早織 翻訳, 佐藤さやか 監訳 [2021.3.22] 《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所地域・司法精神医療研究部(以下、NCNP精研地域部;cochranereview.ncnpcmhl@gmail.com)までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。NCNP精研地域部では最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD005167.pub2》

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