潰瘍性大腸炎の寛解導入のための腫瘍壊死因子-α(TNF-α)阻害薬

著者の結論: 

ステロイドおよび/または免疫抑制薬を用いた従来の治療に難治性の中等度から重度の潰瘍性大腸炎患者において、インフリキシマブは臨床的寛解の導入、臨床反応の惹起、粘膜治癒の促進、および少なくとも短期間における結腸切除術の必要性を低下させる上で有効である。インフリキシマブに起因する重篤な有害事象は選択した研究においては一般的にみられなかったが、医師はアナフィラキシー反応および感染などの有害事象可能性を認識し、その対処に備えるべきである。

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背景: 

抗TNF-α薬はクローン病の寛解導入に有効であることが示されている。しかし潰瘍性大腸炎におけるTNF-α阻害薬の役割は不明であり、最近の研究結果は相反する。

目的: 

潰瘍性大腸炎の寛解導入のための抗TNF-α抗体の有効性を評価し、抗TNF-α抗体療法に関連する有害事象を判定する。

検索方法: 

MEDLINE (1966年~2005年)、EMBASE(1984年~2005年)、Cochrane Central Register of Controlled Trials (2004年第3号) およびIBD/FBD Review Group Specialized Trials Registerを検索した。各発表にて引用された論文をハンドサーチした。

選択基準: 

活動性潰瘍性大腸炎(臨床的、X線写真、内視鏡および組織学的な基準の組み合わせによって定義)患者を、治療群のTNF-α阻害薬投与、ならびに対照群のプラセボ投与または他の治療ランダムに割付けたランダム化比較試験のみを含めた。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが独自に各研究のデータを抽出し、方法論の質を評価した。レビューア間の不一致はすべて合意によって解消した。主要なアウトカム指標は、主な研究によって定義されている寛解率であった。他のエンドポイントは主な研究によって定義されている臨床的、組織学的または内視鏡的改善;生活の質に関する検証済みのツールによって評価した生活の質の改善、有害事象発現率であった。

主な結果: 

選択基準を満たす7件のランダム化比較試験が同定された。副腎皮質ステロイドおよび/または免疫抑制薬を用いた従来の治療に難治性の中等度から重度の潰瘍性大腸炎患者において、インフリキシマブ(0、2、および6週目の3回持続点滴静注)は、臨床的寛解導入(相対リスク(RR)3.22、95% CI 2.18~4.76)、内視鏡的寛解導入(RR 1.88、95% CI 1.54~2.28)および8週目の臨床反応の惹起(RR 1.99、95% CI 1.65~2.41)について、プラセボよりも有効であった。インフリキシマブの単回注入も、注入から90日以内の結腸切除術の必要性を低下させる上で、プラセボよりも有効であった(RR 0.44、95% CI 0.22~0.87)。

訳注: 

監  訳: 吉田 雅博,2007.10.5

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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