糖尿病性足潰瘍の治療のための銀ベースの創傷被覆材および局所用剤

著者の結論: 

糖尿病性足潰瘍の治療に銀を含有する被覆材および局所用剤が広く使用されているにもかかわらず、その有効性を評価したランダム化試験も比較試験も存在しない。臨床的有効性および費用対効果ならびに有害事象を含めた長期アウトカムを判定するには、試験が必要である。

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背景: 

糖尿病患者の15~20%が足潰瘍に罹患している。足潰瘍は、この患者群に切断を招く重大な前兆であり、早期に適切な治療を行うことが治癒の可能性を高める。銀の抗菌作用により銀が再び使用されるようになり、遊離銀イオンを持続的に放出する最新の創傷被覆材は、今や創傷の管理に広く使用されるようになっている。

目的: 

糖尿病性足潰瘍の感染率および治癒に対する銀含有被覆材ならびに局所用剤の効果を評価する。

検索戦略: 

Cochrane Wounds Group Specialised Register(2005年8月)、Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL、コクラン・ライブラリ2005年第3号)、MEDLINE(1966~2004年10月第2週)、EMBASE(1980~2004年10月第2週)およびCINAHL(1982~2004年10月第2週)を検索した。Journal of Wound Care(12/13巻 第1~10号)をハンドサーチした。未発表の試験を同定するために、メーカー、研究者および地域ならびに国際的な創傷グループに問い合わせた。創傷グループおよびWorld Wide Wounds(www.worldwidewounds.com)のウェブサイトを検索した。

選択基準: 

ランダム化比較試験および非ランダム化比較試験を組み入れの対象とした。1型または2型糖尿病の患者を参加者とし、ランダム化、割りつけのほか、適切な場合は隠蔽化が要件に適合し、プラセボまたは偽の被覆材、銀をベースにしていない代替被覆材もしくは無被覆と比較し、治癒率または感染を表すアウトカムを報告している研究を組み入れた。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが、検索戦略で同定した論文を選択基準に照らして独立して評価したが、本レビューに組み入れるべき適格な試験はみつからなかった。計画したサブグループ解析および感度分析は、データがないために実施できなかった。今後、適格な試験が利用できるようになれば、統計的異質性の存在下(I2統計量を用いて推定)でのメタアナリシスには、ランダム効果モデルを適用することとする。二値アウトカムはリスク比とその95%信頼区間(CI)で報告し、連続値アウトカムは重み付け平均差(WMD)とその95%CIで報告する。あらゆるアウトカムについて、統計的有意性をP値<0.05に設定し、効果の大きさは治療必要数(NNT)とその95%CIを算出して推定することとする。

主な結果: 

選択基準に適合する研究は同定されなかった。

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