腎移植レシピエントの骨疾患を予防するための介入

著者の結論: 

腎移植後のビスホスホネート、ビタミンDステロールまたはカルシトニンによる治療は、免疫抑制により誘発される骨塩密度の減少から保護し、骨折を予防すると思われる。この集団の骨折予防にビスホスホネートがビタミンDステロールよりも優れているかどうかを判定するためには、十分な検出力を持った試験が必要である。これらの介入法の至適投与経路、時期、期間は依然として不明である。

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背景: 

慢性腎疾患患者では骨再構築とミネラルの恒常性に著しい異常があり、骨折リスクが上昇している。腎移植レシピエントの骨折リスクは一般集団の4倍であり、透析患者よりも高い。ランダム化比較試験(RCT)から、移植後の骨疾患治療のためのビスホスホネート、ビタミンDステロール、カルシトニンおよびホルモン補充療法の使用が報告されている。

目的: 

腎移植後の骨疾患を治療するための介入の使用を評価する。

検索方法: 

Cochrane Central Register of Controlled Trials(コクラン・ライブラリのCENTRAL)、Cochrane Renal Group's specialised register、MEDLINE、EMBASE、参考文献リストおよび学会論文集の抄録を言語に制約を設けないで検索した。最新検索日:2006年5月

選択基準: 

あらゆる年齢の腎移植レシピエントに対して異なる治療を比較しているランダム化および準ランダム化比較試験を選択した。腎・膵移植レシピエントを含むその他の移植レシピエントはすべて除外した。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが独自に試験の質を評価し、データを抽出した。ランダム効果モデルを用いて統計学的解析を行い、二値変数については相対リスク(RR)と95%信頼区間(CI)、連続変数のアウトカムについては平均差(MD)で結果を表した。

主な結果: 

24件の試験(参加者1,299例)を含めた。個々の介入(ビスホスホネート、ビタミンDステロールまたはカルシトニン)はいずれも、プラセボと比較して骨折リスクの減少はみられなかった。プラセボと比較したあらゆる能動的介入法についての結果を統合したところ、骨疾患の全治療は骨折の相対リスクを減少させることが示された(RR0.51、95%CI0.27から0.99)。ビスホスホネート(あらゆる経路)、ビタミンDステロールおよびカルシトニンはすべて、腰椎の骨塩密度に有益な効果があった。ビスホスホネートおよびビタミンDステロールでは大腿骨頚部の骨塩密度にも有益な効果があった。ビタミンDステロールと直接比較した場合も、ビスホスホネートは骨塩密度減少の予防に有効であった。複合ホルモン補充、テストステロン、選択的エストロゲン受容体調節薬、フッ化物やタンパク同化ステロイドに関するデータはほとんど全く入手できなかった。全死亡率および薬物関連毒性を含むその他のアウトカムはほとんど報告されていなかった。

訳注: 

監  訳: 林 啓一,2008.1.11

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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