胎児異常があるか子宮内胎児死亡後の女性に対し妊娠中期~後期に妊娠を終了させるための分娩誘発のためのミソプロストール

著者の結論: 

中期~後期妊娠終了におけるミソプロストール膣内投与の使用は、他のプロスタグランジン製剤(セルバゲム、プロスタグランジンE2、プロスタグランジンF2αなど)と同等に有効であり、ミソプロストール経口投与よりも有効である。しかし、母体の安全性、特に、子宮破裂などの稀なアウトカムの発生に関して、重要な情報はなお限定的である。将来の研究は、すべての関連性のあるアウトカムの標準化された報告や稀な有害事象の評価に特に注意して、至適用量と投与頻度を決定することに努力すべきである。この設定でのミソプロストールの舌下投与については更なる情報が必要である。

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背景: 

胎児が子宮内で死亡している(いわゆる死産)状況において、あるいは胎児が生きて生まれても生き延びないか永久的なハンディキャップを持つ可能性がある妊娠を終了させるために、自然分娩開始前に出産させる必要がある場合がある。ミソプロストールは、これらの状況下で分娩を誘発するために用いることができるプロスタグランジン製剤である。

目的: 

胎児異常があるか子宮内胎児死亡後の女性に対して、妊娠中期~後期に妊娠を終了させるべく、分娩を誘発するためのミソプロストールの有益性と有害性を、他の分娩誘発法と比較する。

検索戦略: 

Cochrane Pregnancy and Childbirth Group's Trials Register(2009年11月)を検索した。

選択基準: 

子宮内胎児死亡後か胎児異常のため、妊娠中期~後期に妊娠を終了させるべく分娩誘発を受ける女性を対象として、ミソプロストールとプラセボまたは無治療、あるいは他のなんらかの分娩誘発法とを比較しているランダム化比較試験(RCT)。

データ収集と分析: 

2人のレビューアが独自に試験の質を評価し、データを抽出した。

主な結果: 

38件の研究(女性3,679例)を採択した。9件の研究は子宮内胎児死亡後の妊娠を対象とし、5件の研究は胎児がまだ生きている時の胎児異常のための妊娠終了を対象とし、残り(24件)は子宮内胎児死亡、胎児異常、社会的理由に対するプールされたデータを提示した。この設定で分娩誘発に伝統的に用いられている薬剤(例えば、ゲメプロスト、プロスタグランジンE2、プロスタグランジンF2α)と比較して、ミソプロストール膣内投与は、24時間以内に経膣分娩を確実にするのに同等に有効であり、出産までの時間はほぼ同じであった。ミソプロストール膣内投与では、他のプロスタグランジン製剤と比較した場合、母体の消化器系副作用(悪心、嘔吐、下痢など)の発現が少ない。様々なプロスタグランジン製剤を含む様々な治療は、報告されているアウトカムに対してほぼ同じようであるが、子宮破裂など稀な母体合併症に関して入手可能な情報は限られている。

訳注: 

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