妊娠中、女性は自分自身および成長する胎児のために鉄および葉酸を必要とする。懸念されるのは、妊婦にこれらの栄養分が不足すると、その栄養分を十分に胎児に提供できなくなるという点である。妊娠前の葉酸低値により、新生児の神経管欠損リスクが増大する。女性の鉄分および葉酸の低値により貧血を生じる可能性があり、そのため女性は疲労を感じ、失神を起こし、感染リスクが増大する可能性がある。
61件のランダム化比較試験をレビューに組み入れ、そのうち妊婦43,274例を含む44件が分析対象とした。鉄または鉄+葉酸を補充することで、妊娠中の貧血および鉄欠乏のリスクが低下した。妊娠中の母体への鉄補充は、新生児アウトカム(出産時体重、早産)を改善することが示されたが、そのエビデンスの質は高くなかった。鉄補充により胎盤マラリアが増加するとのエビデンスは得られなかった。
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訳注:
《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2018.12.25] 《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 【CD004736.pub5】