早産児における反復性の無呼吸に対するカルニチン補充

臨床診療で未熟児無呼吸発作の治療にカルニチンの使用を推奨するには、さらなる研究が必要である。未熟児無呼吸発作は、新生児集中治療室(NICU)で早産児によく起こる問題である。早産児の反復性無呼吸エピソードは、神経発達への悪影響と相関性がある。カルニチン欠乏症は、無呼吸や呼吸不全との関連が乳児および成人で示されている。レビュー著者は、カルニチンによる早産児の治療が、無呼吸エピソードや人工呼吸器の使用を減らしたり、なくしたりするのに役立つのかを調べた。治療試験は同定されなかった。


著者の結論: 

未熟児無呼吸発作に対するカルニチン療法の論拠は妥当だが、本適応への使用を支持するデータは不十分である。臨床診療における本治療の役割を判断するにはさらなる研究が必要である。

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背景: 

未熟児無呼吸発作は、新生児集中治療室(NICU)で早産児によく起こる問題で、しばしば退院や普通病棟への転棟が遅れる原因となる。早産児はカルニチン欠乏症のリスクが増加する。カルニチン補充は無呼吸の予防や治療に用いられている。

目的: 

反復性無呼吸の早産児に対するカルニチン療法が無呼吸の頻度、人工呼吸器の使用期間、および入院期間を減らすのかについて評価すること。

検索戦略: 

2名のレビューアがそれぞれコンピュータ検索を実施した。MEDLINE(1966年~2010年12月)、EMBASE(1988年~2010年12月)、Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL、<1>The Cochrane Library</1>2号、2010年)、Society for Pediatric Research 年次総会の妙録(1995年~2010年)を検索し、当該分野の専門家に連絡を取った。

選択基準: 

反復性未熟児無呼吸発作と診断された早産児に対するランダム化または準ランダム化治療試験のみについて検討した。プラセボまたは無治療と比較したカルニチン療法で、以下のアウトカムを1つ以上測定した試験を選択した。消失しない無呼吸、人工呼吸器の使用期間、入院期間。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが選択基準と質について論文を評価した。必要に応じて責任著者に詳細を問い合わせた。

主な結果: 

適格な試験は同定されなかった。

訳注: 

《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2018.2.3]
《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 
CD004497 Pub2

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