小児の慢性喘息に対するネドクロミルナトリウム

著者の結論: 

限られた数の小規模な研究から、肺機能および症状の幾つかの指標を改善させる上でネドクロミルの利益が示されているが、本レビューの主要アウトカムに関するエビデンスは相反するものであった。2件の長期試験では肺機能アウトカムに一貫性のある結果は示さなかったが、数件の小規模な短期試験はこれらのアウトカムに利益を示している。軽度の参加者ほど利益が少なかったことから、ベースライン時の重症度のがこの相違を説明付けていると思われるが、研究所見の不一致は出版バイアスを反映している可能性もある。ネドクロミルナトリウムの安全性プロファイルは非常に良好であり、短期的にも長期的にも有意な有害な副作用はなかった。ネドクロミルは、副作用の点で吸入ステロイド薬を上回る利益があると思われるが、喘息コントロールが同等であるかどうかについて、特に軽度の喘息について確立するためにネドクロミルを吸入ステロイド薬と直接比較する試験が必要である。小児の喘息治療においてネドクロミルを、他の治療との関係でどこに位置付けるべきかについては依然として不明である。

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背景: 

吸入副腎皮質ステロイド薬は現時点で、小児の慢性喘息の維持療法の要である。吸入ステロイド薬は小児期の喘息管理に極めて重要な役割を果たしているが、小児の慢性喘息の管理に使用される吸入ステロイド薬の長期的な副作用については明らかでない。

目的: 

本レビューは、小児の慢性喘息の治療における吸入ネドクロミルナトリウムの安全性と有効性をプラセボと比較することを目的とする。

検索方法: 

Cochrane Airway Group trials register、レビュー論文、および論文の参考文献リストを検索した。また、その後追加された引用については、医薬品製造業者および第一著者に問い合わせた。主要な呼吸器学会の抄録も検索した。最新検索は2009年11月であった。

選択基準: 

小児(0~18歳)の慢性喘息の治療においてネドクロミルナトリウムをプラセボと比較しているランダムプラセボ対照試験

データ収集と分析: 

2名のレビューアが独自に試験の質を評価し、データを抽出した。追加情報については、研究著者に問い合わせた。

主な結果: 

15件の試験(1,422例の小児(男児837例、女児585例)をリクルートしていた並行群間研究12件、クロスオーバー試験3件)を含めた。研究は全般的に方法論の質が良好であった。2件の大規模な長期研究はネドクロミルを6ヵ月間および4~6年間使用しており、無症状の日数について相反する結果が示された。短期研究(期間4~12週間)はネドクロミルナトリウムをプラセボと比較しており、ネドクロミルナトリウムによりFEV1、FVC、FEV1%予測値、PC20 FEV1、夜のPEF、症状スコアを含む幾つかの有効性指標に何らかの改善が示された。患者による有効性評価は、ネドクロミルに有利であった(オッズ比(OR)0.5(95%CI 0.3~0.8)。ネドクロミルナトリウムの安全性プロファイルは良好である。唯一認められた顕著な副作用は不快な味であった。臨床的な用量反応効果についてのエビデンスはほとんどなく、少数の研究で重度の喘息参加者をリクルートしていたにすぎない。

訳注: 

監  訳: 林 啓一,2010.4.15

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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