腰痛の個別患者教育

著者の結論: 

急性または亜急性のLBP患者には、集中的な患者教育が有効であると思われる。慢性LBP患者に対する個別教育の有効性については依然として不明である。

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背景: 

多くの様々なタイプの患者教育が広く用いられている一方で、腰痛(LBP)に対する個別の患者教育の効果は今までシステマティックにレビューされていない。

目的: 

非特異的腰痛の治療に個別の患者教育が有効であるかどうか、またどのような教育が最も有効であるかを判定する。

検索方法: 

MEDLINE(1966年~2006年7月)、EMBASE(1988年~2006年7月)、CINAHL(1982年~2006年7月)、PsycINFO(1984年~2006年7月)、Cochrane Central Register of Controlled Trials(コクラン・ライブラリ2006年第2号)の文献検索をコンピュータで行った。同定した論文で引用された参照文献をスクリーニングした。

選択基準: 

研究選択基準は以下とした:デザインがランダム化比較試験、患者にLBPがある、介入の種類が個別の患者教育である、発表言語が英語、ドイツ語またはオランダ語。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが独自に方法論の質を評価した。質の基準を最低50%満たしている論文を質が高いとみなした。主要なアウトカム指標は、疼痛強度、改善の包括的指標、腰痛に特異的な機能状態、職場復帰、一般的な機能状態とした。解析は定性分析で構成された。エビデンスを、強固、中等度、限定的、相反する、エビデンスなしのいずれかに分類した。

主な結果: 

本レビューに含めた24件の研究のうち、14件(58%)で質が高かった。個別の患者教育は、12件の研究で無介入と比較されており、11件の研究で非教育的介入と比較、8件の研究では別の個別教育介入と比較されていた。その結果、亜急性LBPのある患者で、2.5時間の口頭による個別教育セッションは無介入と比較して、短期的および長期的な職場復帰に有効であるとする強固なエビデンスが示された。余り集中的でない教育的介入は、無介入を上回るほどの効果をもたらさなかった。さらに、(亜)急性LBP患者に対する個別教育による長期的疼痛効果および包括的改善効果は非教育的介入と同程度であり、慢性患者に対しては、より集中的な介入と比較して、個別教育は腰痛に特異的な機能に対しては余り有効でないことを示す強固なエビデンスがある。異なるタイプの個別教育の比較では、有意は示されなかった。

訳注: 

監  訳: 林 啓一,2008.4.1

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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