歯科治療下での小児への鎮静について

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歯科医への恐れは歯科治療が必要な子供の協力を妨げます。 非協力は、子供にむし歯の未処置放置につながります。協力を得るテクニックは小児を扱う上で重要な役割を担いますが、それでも歯科治療への協力が困難で、鎮静が必要な子どももいます。このレビューでは恐怖心が続く小児にたいして鎮静をおこなうための薬剤の有効性についての調査をしました。ジュースに与薬したミダゾラムが有効であることに弱いエビデンスがあり、また、亜酸化窒素(笑気)も有効である可能性がありました。

著者の結論: 

小児への歯科治療をすすめる上での経口ミダゾラム投与の効果については弱いエビデンスがあった。亜酸化窒素(笑気)吸入が有効であるかについては非常に弱いエビデンスがあった。

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背景: 

歯科治療に対する子供の恐怖は、小児歯科治療成功への障壁となり、歯科医にとって行動管理の問題につながる可能性がある。鎮静法は恐怖を軽減させ、小児への歯科治療処置を容易に行うために使用される。鎮静方法は公表された研究から薬剤、投与量、投与方式の有効性を決定する必要があるだろう。

目的: 

小児歯科診療における受療行動の管理のために、覚醒下鎮静法の薬剤の投与量及び使用法について有効性を各種評価した。

検索方法: 

2011年8月4日までのMEDLINE, EMBASE, Cochrane Central Register of Controlled Trials, 学位論文抄録、SIGLE, World Wide Web(Google), 科学データベース、コミュニティ等の電子検索から関連する試験と文献の検索を行なった。 参考文献のリストについては関連記事が調査され試験についての確認と追加の情報を入手するために著者へコンタクトをとった。

選択基準: 

研究は以下の条件により選択した。 16歳までの小児に対し、歯科医師や歯科治療チームによりおこなわれた2種類以上の 薬剤/手技/プラセボ の比較を試みた覚醒下鎮静法に関する無作為対象試験。クロスオーバー試験は除外した。

データ収集と分析: 

研究方法、患者、介入法、結果の測定に関する情報は、2名のレビューアーにより独立して抽出し、記録した。不明確・不十分な試験については著者に問い合わせた。リスク・オブ・バイアスを評価した。The Cochrane Collaboration の統計学ガイドラインに従った。

主な結果: 

36の研究で総数2810名適格した。30の試験(83%)ではリスク・オブ・バイアスが高く、6(17%)の試験ではリスク・オブ・バイアスが不明確だった。亜酸化窒素(笑気)吸入の有無にかかわらず28種類の異なる鎮静法があった。投与量、投与方法、投与時間は多様だった。試験プラセボ群と実薬群にグループ化し、使用法ごとに比較した。メタアナリシスは経口ミダゾラム対プラセボを調査したもののみ可能だった。リスク・オブ・バイアスが高い5つの小規模な試験では、異質性があるものの、体重1kgあたり0.25mgから0.75mgの経口ミダゾラムの使用は、プラセボ群と比較してより協力的な行動が現れた。標準化平均差(SMD2.98、95%信頼区間1.58~4.37、(P<0.001、I2=91%)であり、6点Houpt behavior scaleにおいて約1.8ポイント増加に換算される弱いエビデンスであった。プールできなかった2つの試験においては亜酸化窒素吸入はプラセボ群より効果的であるとする弱いエビデンスがあった。

訳注: 

監  訳: 武内 淳子,豊島 義博,JCOHR,2012.10.31

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

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