合併症を伴わない急性心筋梗塞に対する床上安静

著者の結論: 

2日間から12日間の床上安静は、それよりも長い期間の床上安静と同程度に安全であると考えられる。大半の試験の質は不十分であった。床上安静の最適期間は不明であるため、現行の床上安静についての推奨は現存するエビデンスによって裏付けられるものではない。AMI例に対する薬剤の有効性を比較した幾つかの研究が大規模であることと比べて、適切な試験がないことは驚くべきことである。

アブストラクト全文を閲覧
背景: 

すべての急性心筋梗塞(AMI)患者に対して床上安静が指示されているが、その程度は様々である。現行のガイドライン(American College of Cardiology/American Heart Association)は、合併症を伴わないST上昇型心筋梗塞患者については最低12時間の床上安静を推奨している。しかしこの推奨の根拠は不明である。

目的: 

合併症を伴わないAMI患者を対象に、短期的な床上安静の効果を長期的な床上安静と比較する。

検索方法: 

Cochrane Central Register of Controlled Trials(コクラン・ライブラリ 2009年第3号)、MEDLINE(1966年1月~2009年10月)、EMBASE(1988年1月~2009年10月)、PASCAL BioMed(1996年1月~2005年8月)、PsycINFO(1966年1月~2009年10月)およびBIOSIS Previews(1990年1月~2009年10月)を検索した。参考文献をチェックした。言語に制約を設けなかった。

選択基準: 

合併症を伴わないAMI患者を対象に、短期的な床上安静を長期的な床上安静と比較しているランダム化および準ランダム化比較試験を検索した。

データ収集と分析: 

最低2名の研究者が、事前に定めた選択基準に従って各々独立して研究を選択した。2名の研究者が独立してデータを抽出し、2回繰り返し行った。欠損情報を入手するために著者に問い合わせた。

主な結果: 

15件の試験が見出され、患者1,487例が短期的な床上安静(中央値6日)に割付けられ、1,471例が長期的な床上安静(中央値13日)に割付けられた。全般的に研究は時代遅れのものであり、方法論的に報告の質が中等度から高度に不良であると考えられた。総死亡率(RR 0.85、95%CI 0.68~1.07)、心疾患死亡率(RR 0.81、95%CI 0.54~1.19)、再梗塞(RR 1.07、95% CI0.79~1.44)の点で、短期的な床上安静は長期的な床上安静よりも有害であることを示すエビデンスはなかった。

訳注: 

監  訳: 澤村 匡史,2010.6.25

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

Tools
Information
Share/Save