糖尿病患者における「ヒト」インスリンと動物インスリンとの比較

著者の結論: 

ヒトインスリンと動物インスリンの効果の比較も、有害反応プロファイルの比較も、臨床的に関連性のあるを示さなかった。健康に関連するQOLなど患者志向の多くのアウトカムまたは糖尿病合併症および死亡率は、高品質のランダム化臨床試験では検討されていなかった。ヒトインスリン導入のいきさつは、利点や安全性の十分な証拠による裏づけがないまま、新薬開発の技術革新を導入する現代の売り込みキャンペーンがまた繰り返された可能性がある。

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背景: 

ヒトインスリンは、動物インスリン製剤と有効性を十分に比較されないまま、1980年代初期に糖尿病のルーチン治療のために導入された。ヒトインスリンへの移行後に初めて、低血糖の認識の変化が報告されたことで、医師はもちろん、特に患者は、ヒトインスリンの有害作用可能性を測りかねている。

目的: 

有効性(特に血糖コントロール)および有害作用プロファイル(主に低血糖)を評価することにより、種の異なるインスリンの効果を判定する。

検索方法: 

コクラン・ライブラリ、MEDLINEおよびEMBASEを用いて、ヒトインスリンと動物インスリンを比較した研究を同定するために、重要用語を併用したランダム化比較試験の高感度検索を行った。最終検索日:2004年7月

選択基準: 

あらゆる年齢層の糖尿病患者を対象とし、ヒトインスリンと動物インスリン(大半は精製ブタインスリン)を比較したランダム化比較臨床試験を組み入れた。主要アウトカムパラメーターとしたグリコヘモグロビンに関して信頼性のある結果を得るために、試験期間は1ヵ月以上であることとした。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが独立して、試験の選択および試験の品質の評価を行った。SchulzおよびJadadが明記している品質基準の変法に従って、各試験の報告の品質を判定した。

主な結果: 

広範囲に及ぶ検索の結果、総数2,156名の参加者を対象とした45件のランダム化比較試験を発見した。試験の多くがランダム二重盲検デザインであったが、大半の試験試験方法の品質は不良であった。精製ブタインスリンおよび半合成インスリンを検討した試験が最も多かった。代謝コントロールおよび低血糖エピソードには、インスリンの種の違いによる有意を明確にすることができなかった。インスリン用量およびインスリン抗体は、関連性のある相違を示さなかった。

訳注: 

監  訳: 2006.6.23

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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