妊娠時膣内ウレアプラズマ属に対する抗菌薬

著者の結論: 

ウレアプラズマ属が膣内で定着した妊婦に対して、早産の予防を目的として抗菌薬療法を実施すべきかを評価するには、エビデンスが不十分であった。早産は、周産期の重要な問題である。ウレアプラズマ属菌を含む上部生殖器感染は、早産や前期破水の一因となると疑われている。抗菌薬は、早産前期破水をした妊婦の治療に用いられており、これにより妊娠期間が延長され、母体および新生児の感染リスクが低下すると考えられる。しかしながら、原因となり得る菌を根絶するには、妊娠初期での抗菌薬の使用が有効となるかもしれない。

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背景: 

早産は、周産期の重要な問題であり、周産期罹病率および死亡率の一因となっている。ウレアプラズマ属の膣内での高度定着は、早産や前期破水の一因となると疑われている。抗菌薬は感染の治療に用いられ、また、前期破水をした妊婦の治療にも用いられており、ある程度の短期的な改善が得られている。しかしながら、膣内での高度定着の治療を目的として、妊娠初期に抗菌薬を使用する利益は明らかになっていない。

目的: 

ウレアプラズマ属が膣内で高度に定着した妊婦に対する抗菌薬療法は、早産およびその他の妊娠に関する有害アウトカムを低減するかを評価すること。

検索方法: 

Cochrane Pregnancy and Childbirth Group's Trials Registerを検索した(2011年5月31日)。

選択基準: 

膣内でウレアプラズマ属が検出された妊婦を対象として、抗菌薬レジメンをプラセボまたは無治療と比較したランダム化比較試験

データ収集と分析: 

3名のレビューアが別々に適格性および試験の質を評価し、データを抽出した。

主な結果: 

女性1,071例を対象とした1件の試験を選択した。このうち、妊娠22週から32週の女性644例が抗菌薬療法の3群(エリスロマイシンエストレート174例、ステアリン酸エリスロマイシン224例、および塩酸クリンダマイシン246例)のうちの1つまたはプラセボ(427例)にランダムに割り付けられた。当該試験では、早産に関するデータは報告されていなかった。2,500グラム未満の低出生体重の発生率は、エリスロマイシン(合計398例)とプラセボ(427例)の比較においてのみ評価されており、両群に統計学的有意は認められなかった[リスク比(RR)0.70、95%信頼区間(CI)0.46~1.07]。投与中止に至る副作用について、投与群間に統計学的有意は認められなかった(RR 1.25、95%CI 0.85~1.85)。

訳注: 

監  訳: 江藤 宏美,2011.12.15

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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