高血圧に対するカルシウム拮抗薬と他の医薬品クラスの比較

著者の結論: 

心血管イベント減少を最適化するのに、利尿薬はCCBよりも好ましいファーストライン降圧薬である。本レビューはCCB、ACE阻害薬、ARBの間で差を見いだしていないが、β遮断薬よりもCCBの使用を支持するエビデンスを提供している。本レビューで見いだされた多くの差は堅固でなく、更なる試験が結論を変える可能性がある。様々な高血圧ステージ、様々な年齢、様々な共存疾患(例えば糖尿病)の患者を対象として、CCB使用患者の死亡率や罹病率を他の降圧薬クラス使用患者と比較・検討するより適切にデザインされたRCTが必要である。

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背景: 

カルシウム拮抗薬(CCB)は比較的新しい降圧薬クラスである。心血管イベントの予防に対するファーストラインCCBの他の降圧薬クラスと比較した効果は不明である。

目的: 

高血圧にファーストライン治療として用いられるCCBが他のファーストライン薬クラスと主要有害心血管イベントの発生を減少させるのに違いがあるか否かを検討する。

検索方法: 

Cochrane Central Register of Controlled Trials、MEDLINE、EMBASE、WHO-ISH Collaboration Register(2009年5月まで)の電子検索を行った。その後追加された試験を同定するため発表済み研究の参考文献もチェックした。

選択基準: 

ランダム化高血圧参加者100例以上で、フォローアップ期間2年以上のファーストラインCCBと他の降圧薬クラスを比較したランダム化比較試験(RCT)。

データ収集と分析: 

2人のレビューアが独自に組み入れ試験を選択し、バイアスのリスクを評価し、解析のためデータを入力した。

主な結果: 

18件のRCT(ジヒドロピリジン系14件、非ジヒドロピリジン系4件)の合計141,807例の参加者を選択した。総死亡率はファーストラインCCBと他のあらゆるファーストライン降圧薬クラスとの間で差がなかった。CCBはβ遮断薬と比較して次のアウトカムを減じた:総心血管イベント(RR 0.84、95%CI 0.77~0.92)、脳卒中(RR 0.77、95%CI 0.67~0.88)、心血管死亡(RR 0.90、95%CI 0.81~0.99)。CCBは利尿薬と比較して総心血管イベント(RR 1.05、95%CI 1.00~1.09、p=0.03)とうっ血性心不全(RR 1.37、95%CI 1.25~1.51)を増加させた。CCBは、ACE阻害薬と比較して脳卒中を減じ(RR 0.89、95%CI 0.80~0.98)、ARBと比較して脳卒中(RR 0.85、95%CI 0.73~0.99)と心筋梗塞(RR 0.83、95%CI 0.72~0.96)を減じた。CCBはACE阻害薬やARBと比較した場合もうっ血性心不全を増加させた(ACE阻害薬との比較RR 1.16、95%CI 1.06~1.27;ARBとの比較RR 1.20、95%CI 1.06~1.36)。他の評価アウトカムに有意差はなかった。

訳注: 

監  訳: 相原 守夫,2011.3.25

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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