女性の尿失禁に対するneedle suspension法による膀胱頚部吊り上げ術

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著者の結論: 

採決した試験においてはneedle suspension法による膀胱頚吊り上げ術は治癒率が開腹恥骨後式挙上術より低かったため、原発性および続発性緊張性尿失禁(urodynamic stress incontinence)の治療法として開腹恥骨後式挙上術ほどおそらく優れてはいない。しかし、このエビデンスの信頼性は、試験の質が不良であり小規模であったことから限られていた。尿道下スリング手術との比較に関しては、結論できるほどの十分な情報はなかった。前膣壁形成術後とneedle suspension法による吊り上げ術後の治癒率は同様であったが、データの信頼性が不十分であり罹患率を比較するには不適切であった。

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背景: 

needle suspension法による膀胱頚部吊り上げ術は中等度または重度の女性緊張性尿失禁に対して伝統的に用いられている手術法である。成人女性の約3分の1が多少の尿失禁を経験しており、その約3分の1に中等度または重度の症状がある。

目的: 

緊張性または混合型尿失禁に対するneedle suspension法の効果をその他の治療管理選択肢と比較判定する。

検索方法: 

Cochrane Incontinence Group Specialised Trials Register(2008年5月12日に検索)を検索した。関連論文の参考文献リストも検索した。

選択基準: 

尿失禁の治療としてneedle suspension法が含まれているランダム化または準ランダム化試験

データ収集と分析: 

最低2名のレビューアが独自に試験を評価し、データを抽出した。2名の治験責任医師がその後追加された情報を提供した。

主な結果: 

6タイプの異なるneedle suspension法が施行された女性375例および比較介入が施行された女性489例を対象とした試験10件を同定した。needle suspension法は開腹恥骨後式挙上法よりも失敗する可能性が高かった。施行1年後の主観的失敗率が高かった(313例中91例(29%)に対し、開腹恥骨後式挙上法では297例中47例(16%)で失敗)。相対リスク(RR)は2.00であったが(95%信頼区間(CI)1.47~2.72)、周術期の合併症に有意はなかった(75例中17例(23%)に対して77例中12例(16%)、RR 1.44、95%CI 0.73~2.83)。その他のアウトカム指標についても有意はなかった。この効果は、原発性尿失禁のある女性および一次手術失敗後の再発性尿失禁のある女性の両方でみられた。needle suspension法は、前膣壁形成術と同程度に有効であると思われる(needle suspension法の施行後では156例中50例(32%)に対し、前膣壁形成術後では181例中64例(35%)が失敗であったが(RR 0.86、95%CI 0.64~1.16))、罹患率についての情報はほとんどなかった。尿道下スリング手術との比較に関するデータについては、小規模で非定型的集団のものであったたったことから、結論は下せなかった。needle suspensions法を保存的管理、尿道周囲注入、偽手術、腹腔鏡による手術と比較した試験はなかった。

訳注: 

監  訳: 江川 賢一,2008.11.18

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

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