転移性乳癌に対する化学療法レジメンへの薬剤の追加

著者の結論: 

レジメンへの1剤以上の薬剤追加は、転移性乳癌の女性における腫瘍反応に統計学的に有意な有益性を示したが、結果は生存期間や無増悪期間にがないことを示唆している。ポジティブな腫瘍反応作用は毒性増大も伴う。

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背景: 

確立されたレジメンへの化学療法剤や薬剤の追加は、転移性乳癌に対する治療の用量や強度を高めるために用いられるひとつの方法である。

目的: 

転移性乳癌の女性を対象に、確立されたレジメンへの1剤以上の化学療法剤追加の効果を評価する。

検索方法: 

Cochrane Breast Group's Specialised Register(2009年8月まで)を、「進行乳癌」と「化学療法」に対するコードを用いて検索した。本レビューはオリジナルのコクラン・レビュー(2006年第3号)を更新したものである。

選択基準: 

転移性乳癌の女性を対象とした2剤以上の化学療法剤から成るファーストラインレジメンと同じレジメンに1剤以上の化学療法剤の追加を比較したランダム化試験

データ収集と分析: 

2人のレビューアが独自に発表済みの試験からデータを抽出した。可能な場合、無イベント時間(time-to event)アウトカムからハザード比(HR)を導き、メタアナリシスに固定効果モデルを用いた。二値変数として反応率を解析し、入手可能な場合、毒性データを抽出した。

主な結果: 

22の治療比較について報告している17件の試験を同定した(ランダム化された患者2674例)。15件の試験(20の治療比較)が腫瘍反応の結果を報告し、11件の試験(14の治療比較)が総生存率に対する無イベント期間(time-to-event)データを発表した。レジメンへの1剤追加とコントロール(レジメンのみ)を比較した試験ランダム化された女性2116例の間で1532例が死亡した。これらの患者の間で総生存率に検出可能なはなく、総HRは0.96(95%信頼区間(CI)0.87~1.07、P=0.47)であり、有意な異質性はなかった。無増悪期間(time to progression)にこれらのレジメン間では認められず、総HRは0.93(95%CI 0.81~1.07、P=0.31)で有意な異質性はなかった。レジメンへの1剤追加は総腫瘍反応率に有利に関連したが(オッズ比1.21、95%CI 1.01~1.44、P=0.04)、このアウトカムに対して試験間に有意な異質性が観察された。急性毒性(脱毛、悪心・嘔吐、白血球減少)は1剤追加によってより多く発現した。

訳注: 

監  訳: 曽根 正好,2011.7.12

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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