急性期精神病患者のための開放型一般病棟と精神科専門病棟の比較

精神病は、誤った感覚を認識させたり(幻覚)、大多数とは異なる方法で世の中を見せたりする(妄想)思考の障害である。精神病は、患者を非常に苦しめる原因となる。精神病で入院治療を必要とする人の大半は、精神科の専門病棟で治療を受けている。しかし、カリブ海を中心とした発展途上国の一部では、精神病患者が糖尿病や心臓病などの精神疾患以外を抱える患者たちと一緒に、一般病棟に入院をして治療を受けるシステムが生まれている。精神病を抱える患者は抗精神病薬で治療を受け、回復するにつれて他の人の看護を手伝うことが期待されている。

このレビューでは、一般病棟での治療と精神科病棟での治療のランダム化された試験を比較することを試みたが、選択基準を満たす試験は見つからなかった。一般病棟に入院をしている患者の方が回復が早く、その後の仕事や教育に復帰ができることを示唆する論文が発表されているため、この2つの治療法(一般病棟への入院と精神科病棟への入院)を比較したランダム化比較試験を行い、このような結果になるかどうかを確認することは有益であろう。

(このレビューの平易な要約は Janey Antoniou of RETHINK, UK 1www.rethink.orgが作成した)

訳注: 

《実施組織》 相田早織 翻訳, 佐藤さやか 監訳 [2021.3.22] 《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所地域・司法精神医療研究部(以下、NCNP精研地域部;cochranereview.ncnpcmhl@gmail.com)までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。NCNP精研地域部では最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD003290.pub2》

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