成人の過活動膀胱症候群に対する抗コリン薬と他の薬剤との比較

著者の結論: 

本レビューで選択された試験で考察されていた薬剤の多くは、実際の診療ではもはや使用されていない(これには、最も多く検討されていたフラボキセートが含まれる)。利用可能な薬剤のいずれかが抗コリン薬よりも優れているか、劣っているかについて評価するにはエビデンスが不十分である。過活動膀胱症候群の管理に果たすこれらの薬剤の役割をさらに確立するために、臨床現場でもっと規模の大きいランダム化比較試験が必要である。

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背景: 

過活動膀胱症候群は、「切迫性尿失禁を伴うまたは伴わない尿意切迫で、通常、頻尿および夜間頻尿を伴う」と定義されている。経済性および生活の質と重大な関連のあるよくみられる状態である。この状態の病態生理はまだ十分に解明されていないが、薬物療法が主な治療選択肢である。薬物治療選択肢は不確実であるにもかかわらず、一次および二次医療で抗コリン薬が次第に使用されつつある。本レビューでは、過活動膀胱症候群の治療について、抗コリン薬とその他のタイプまたはクラスの薬剤を比較する。

目的: 

過活動膀胱の症状治療について、抗コリン薬とその他のタイプまたはクラスの薬剤を比較する。

検索方法: 

Cochrane Incontinence Group Specialised Trials Register(検索2006年12月20日)および関連論文の参照文献リストを検索した。言語およびその他の制約は設けなかった。

選択基準: 

過活動膀胱の症状治療について抗コリン薬と他の薬剤を比較しているすべてのランダム化および準ランダム化比較試験研究で少なくとも1つの群で抗コリン薬、また少なくとも1つの群で抗コリン薬以外の薬剤を使用。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが、同定された研究の適格性および方法論の質を評価し、選択した研究から独自にデータを抽出した。RevManソフトウェア(バージョン4.2.8)を用いてデータを解析した。

主な結果: 

12件の試験を本レビューに含めた。クロスオーバー試験7件および並行群間研究5件であった。抗コリン薬と三環系抗うつ薬、アルファアドレナリン作動薬、求心性神経阻害薬、カルシウム拮抗薬との比較について、それぞれ1件の試験が同定された。9件の試験ではフラボキセートと抗コリン薬が比較されていた。抗コリン薬とフラボキセートとの間で治癒率にを示すエビデンスはなかった。フラボキセート群と比べ、抗コリン薬群で有害作用の発現頻度が高かった(RR2.28 95% CI1.45~3.56)。抗コリン薬または比較薬のいずれかを支持する強固なエビデンスはなかった。

訳注: 

監  訳: 内藤 徹,2008.1.11

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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