矯正装置による治療後の歯の位置の安定化のための保定処置

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著者の結論: 

現時点では、保定に関して、われわれの診療の基本となるような有効な研究データは見あたらない。矯正歯科臨床において、きわめて重要なこの分野での質の高いランダム化比較試験を行うことが早急に必要である。

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背景: 

保定は、矯正装置による治療後に、正しい位置に歯を維持することを試みる矯正治療の一つの段階である。保定の段階がないと歯は元の位置に戻ってしまう傾向がある(後戻り)。このような後戻りを防ぐためには、矯正治療を受けたほとんど全ての患者に対し、ある種の保定を行う必要がある。

目的: 

矯正用装置による治療後に、歯の位置を安定化させるために利用される種々の保定方法の有効性を評価すること。

検索方法: 

The Cochrane Oral Health Group's Trials Register、CENTRAL、MEDLINE、EMBASEを検索した。矯正歯科関連雑誌のハンドサーチは、Cochrane OHG検索プログラムと連携して行われた。言語制限は設けていない。ランダム化比較試験(RCTs)の著者を調査して、未発表の研究があるかどうか確認するために連絡がとられた。最終検索は2005年5月に行われた。

選択基準: 

矯正装置による治療後に、後戻りを防ぐ目的で、保定装置が装着されるか、付加的な処置が行われた小児および成人に対する、ランダム化比較試験(RCTs)。アウトカムは、いかに歯の位置が安定していたか、保定装置の生存率(失敗率)、口腔保健やQOLにおける有害作用である。

データ収集と分析: 

適切な研究スクリーニング研究手法の質に関する評価およびデータの抽出は、2名のレビュー担当者により、二重に、また独立して行われた。同じ保定処置(介入)で行った2つ以上の研究が存在しなかったので、いくつかの研究結果を組み合わせて分析することはできなかった。

主な結果: 

5つの研究選択基準を満たしていた。これらの研究は全て、異なる介入を比較したものであった。1.歯周線維切断術(CSF)と可撤式保定装置全日使用の併用と可撤式保定装置のみの全日使用の比較2.歯周線維切断術(CSF)と可撤式保定装置夜間使用の併用と可撤式保定装置のみの夜間使用の比較3.可撤式ホーレータイプ保定装置とクリアリテイナーの比較4.マルチストランドワイヤーリテーナーとリボン加強レジンボンデットリテーナー5.3種の固定式保定装置と1種の可撤式保定装置ひとつの研究のひとつのデータから信頼性の低い不十分なエビデンスが認められたが、それは、CSFを適用した場合、適用しなかった場合と比較し、下顎(p<0.001)と上顎前歯部(p<0.001)の両者において、統計学的に有意に安定性の向上が認められたということであった。また、保定後3か月において、ホーレータイプ保定装置がクリアリテイナーと比較して、より早く歯を落ち着かせる(セトリングする)という、上記と同様に信頼性の低い不十分なエビデンスが認められた。研究結果の質は、総じて低かった。

訳注: 

監  訳: 金高 弘恭,毛利 環,JCOHR,2008.4.1

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

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