囊胞性線維症患者におけるオメガ-3サプリメントの使用

レビューの論点

嚢胞性線維症患者に対するオメガ-3サプリメントの効果に関するエビデンスのレビューを実施した。

背景

囊胞性線維症患者は、感染と炎症を繰り返すごとに肺機能が悪化すると考えられている。魚油などに含まれるオメガ-3脂肪酸には抗炎症作用があり、嚢胞性線維症などの慢性炎症性疾患に有益である可能性が示唆されている。これは既報レビューの更新版である。

検索期間

本稿のエビデンスは2015年8月13日現在のものである。

試験の特性

本レビューでは、オメガ-3サプリメントとプラセボを比較した4件の小規模試験を検討する。小児および成人合計91例が対象である。試験期間は6週間から6カ月間であった。

主要な結果

1件の6週間試験では、オメガ-3サプリメントを摂取すると肺機能および臨床状態が改善することが報告された。また、オメガ-3摂取によって痰の産生が減少した。2件の長期試験では、オメガ-3サプリメント摂取によって白血球細胞膜の必須脂肪酸含量および血液サンプル中のリン脂質(細胞の構造や保護作用に関与する分子)濃度が顕著に増加することが示された。いずれの試験でも副作用はほとんど認められなかった。結論として、定期的なオメガ-3サプリメント摂取は嚢胞性線維症患者に有益で、副作用もほとんどないと考えられる。しかし、本レビューに組み入れた4件の小規模試験から得られたエビデンスは、嚢胞性線維症患者に日常的なサプリメントの摂取を推奨し、確固たる結論を導くには十分ではない。オメガ-3サプリメントに関する臨床的利益を評価し、適切な用量を決定するためには、大規模な長期試験が必要である。

エビデンスの質

これらの試験の実施にあたり、結果に負の影響を与える因子は存在しないと考える。これらの試験結果に影響を与え得るバイアスのリスクが、このほかに存在するかどうかは不明である。

訳注: 

《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2018.12.25] 《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 【CD002201.pub5】

Tools
Information
Share/Save