小児の喘息に対する吸入クロモグリク酸ナトリウム

著者の結論: 

クロモグリク酸ナトリウムがプラセボよりも有効であると確信するにはエビデンスは不十分である。出版バイアスが、小児喘息における維持療法としてのクロモグリク酸ナトリウムの有益作用を過大評価した可能性がある。

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背景: 

クロモグリク酸ナトリウムは、小児喘息に対する維持療法として長年の間推奨されている。吸入コルチコステロイドが普及した1990年以降、その使用は減少しているが、それでもなお多くの国で使用されている。

目的: 

喘息のある小児の予防的治療におけるクロモグリク酸ナトリウムの有効性をプラセボと比較・評価する。

検索戦略: 

Cochrane Airways Group Trials Register(2009年10月)、Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)(コクラン・ライブラリ2009年第3号)、MEDLINE(1966年1月から2009年10月まで)、EMBASE(1985年1月から2009年10月まで)、および論文の参考文献リストを検索した。また、クロモグリク酸ナトリウムを製造している製薬会社に連絡を取った。

選択基準: 

喘息のある0~18歳の小児を対象として、維持療法としての吸入クロモグリク酸ナトリウムの有効性を取り扱ったすべての二重盲検プラセボ対照ランダム化試験。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが独自に試験の質を評価し、データを抽出した。研究結果をプールした。

主な結果: 

文献から同定した3500の標題のうち、23件の研究について報告した24編の論文を本レビューに選択できた。これらの研究は1970年から1997年までの間に発表され、合計で1026例の参加者を対象に入れた。大部分がクロスオーバー研究であった。割りつけの隠蔽化を判断するのに十分な情報を提供した研究はほとんどなかった。4件の研究は無症状日の割合についての結果を提供した。これらの結果を統合しても、クロモグリク酸ナトリウムとプラセボの間で統計的に有意な差は示されなかった。他の統合アウトカムに関して、症状に関連したアウトカムの大多数と気管支拡張薬の使用は統計学的に有意な結果を示したが、治療効果は小さかった。アウトカムの指標の信頼区間を考慮すると、クロモグリク酸ナトリウムの臨床的に関連する効果を否定することはできない。漏斗プロットはネガティブな結果を生じた小規模研究が十分に代表していないことを示し、出版バイアスがあることが示唆された。

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