原発性左側大腸癌による閉塞に対する治癒手術:一期的切除か段階的切除か?

著者の結論: 

同定した試験の数が限られ、かつ方法論的に弱いことから、大腸癌による腸閉塞を有する患者の治療において両治療法が果たす役割について信頼性の高い評価を行うことはできない。いずれの治療がより有効であるかを確立するために、質の高い大規模なRCTを実施することが適切であると思われる。しかし、この特殊な手術状況において、時宜を得た満足な方法でRCTが実施可能か否かについては疑わしい。

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背景: 

大腸癌患者の8%~29%に診断時の主要症状で閉塞がみられ、また緊急大腸手術を受けた患者の85%が大腸癌による閉塞を有している。閉塞に対して緊急手術が施行された患者の予後は多くの場合、不良である。現在のところ、このような状態に対して2つのタイプの手術法が行われている。ひとつは癌および閉塞を同時に治療する一期的切除(一期的吻合術またはハルトマン手術)、もうひとつは段階的切除(切除前に閉塞を治療)である。しかし、いずれの治療法も他の方法を上回る利点は認められていない。

目的: 

左側大腸癌による閉塞を伴う患者において、罹病率および死亡率の点で一期的切除が段階的切除よりも優れているか否かを確認する。

検索方法: 

Cochrane Controlled Trials Register、Medline、Cancerlit、Embaseの電子データベース検索を行い、腫瘍学および手術の分野における主要雑誌のほとんどを2003年から現時点までハンドサーチした。

選択基準: 

原発性左側大腸癌による腸閉塞に対して一期的切除を施行した患者群と、同様の状態に対して段階的切除を施行した患者群を比較したランダム化臨床試験(RCT)および比較臨床試験(CCT)。この種の研究は1件しか入手できなかったため、可能な限り入手できたエビデンスに基づいて、症例対照研究を除くすべての研究についても検討した。言語を限定せずに研究を検討した。

データ収集と分析: 

2名のレビューア(GLDS、CG)が電子的な検索法によって得た引用および抄録をすべて検討した。関連する可能性のある試験の報告は全文を引き出した。両レビューアは採択基準を試験報告書に独自に適用した。レビューアに対しては、施設名、雑誌名、試験著者名の盲検化は行わなかった。不一致を解消するため、第三者に意見(SP、ML)を求めた。

主な結果: 

2043件の引用を同定した。Medline1205件、Embase635件、Cancerlit203件。採択可能と思われる試験1件を同定したが、その後、除外した(Kronborg 1995年)。

訳注: 

監  訳: 2007.7.18

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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