産後抑うつ症を予防・治療するためのエストロゲンとプロゲスチン

著者の結論: 

合成プロゲストゲンは、産褥期にはかなりの注意をもって使用すべきである。産後抑うつ症の予防と治療における天然プロゲステロンの役割はランダムプラセボ対照試験ではまだ評価されていない。エストロゲン治療は重度の産後抑うつ症の治療に軽微な有用性を有する可能性がある。再発性産後抑うつ症の予防におけるエストロゲンの役割は厳格に評価されていない。更なる研究を行うことが正当化される。

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背景: 

産後抑うつ症はよくみられる出産の合併症であり、約13%の女性が罹患する。妊娠および出産直後の期間に関連したステロイドホルモン濃度の突然の大きな変動によるホルモン性病因が長い間仮定されている。エストロゲン、プロゲスチン、関連化合物は生理的濃度で重要な中枢神経活性を有するという説得力のあるエビデンスもある。

目的: 

本レビューの主要目的は、産後抑うつ症の予防と治療におけるエストロゲンとプロゲスチン(天然プロゲステロンと合成プロゲストゲンを含む)の効果を、プラセボ、または通常の分娩前・分娩中・分娩後のケアと比較・評価することであった。

検索方法: 

Cochrane Pregnancy and Childbirth Group's Trials Registerを検索し(2010年3月)、二次参考文献を入念に調べ、当該分野の専門家に連絡を取った。

選択基準: 

産後1年以内にリクルートされた妊婦または新しい母親を対象として、エストロゲンおよびプロゲスチン介入とプラセボまたは分娩前・分娩中・分娩後の通常のケアを比較している全ての発表済みおよび未発表のランダム化比較試験(RCT)。

データ収集と分析: 

2人のレビューアが方法論的質の評価、データ抽出、データ解析に参加した。カテゴリーデータに対して相対リスク、連続データに対して重み付け平均差を用いて結果を提示する。

主な結果: 

229例の女性を対象とした2件の試験選択基準を満たした。合成プロゲストゲンであるエナント酸ノルエチステロンの分娩48時間以内に投与することにより、産後抑うつ症の発症リスクは有意に高まった。重度の抑うつ症の女性の間で、エストロゲン治療によりプラセボよりも抑うつスコアが大きく改善した。

訳注: 

監  訳: 江藤 宏美,2011.7.12

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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