慢性喘息に対する吸入ステロイド薬のためのホールディングチャンバーとネブライザーの比較

著者の結論: 

本レビューのために選択できた唯一の二重盲検研究では、使用された特別なネブライザーによって送達された高用量のブデゾニドの方が、高容量のスペーサーで送達されたブデゾニド1600mcgよりも有効であった。しかし、これは送達された公称用量の効果によるものか送達システムの効果によるものかは不明である。費用、コンプライアンス、患者の好みは臨床的有効性の重要な決定因子であり、これらをさらに評価する必要がある。種々の組み合わせのネブライザー/コンプレッサーで送達する場合とホールディングチャンバーで送達する場合を比較することによって、送達される吸入ステロイド薬の相対的な有効性を評価するためのさらなる研究が必要とされている。また、幼児および就学前の小児はステロイド薬の噴霧療法の対象となる可能性が高いことから、この年齢層の患者を対象としてこれらの送達方法を評価する研究もさらに実施する必要がある。

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背景: 

吸入副腎皮質ステロイド薬は噴霧療法のための懸濁剤の形態で市販されているが、慢性喘息の治療において吸入ステロイド薬の噴霧療法がどのような役割を果たしているのかについては依然として明らかでない。

目的: 

慢性喘息の治療のために、ネブライザーによる場合とホールディングチャンバーによる場合の吸入ステロイド薬の有効性および安全性を比較評価する。

検索方法: 

Cochrane Airways Group Trial Registerおよび論文の参考文献リストを検索した。その後の研究については、研究の著者および製薬会社に問い合わせた。最終検索日:2008年1月

選択基準: 

慢性喘息の治療のための吸入ステロイド薬の送達方法としてネブライザーとホールディングチャンバーを比較しているランダム化比較試験。すべての年齢層の患者群を考慮した。2名のレビューアが論文選択のために論文を評価した。2名のレビューアが独自に選択した研究の方法の質について評価した。

データ収集と分析: 

1名のレビューアがデータを抽出し、情報が欠如している場合は著者に問い合わせて明らかにした。Review Manager 4.1を利用して定量分析を実施した。

主な結果: 

2件の研究を選択し(被験者63例)、いずれも成人を対象としていた。2005年の更新のために、小児14例を含む小規模な研究1件が同定された。試験方法の質にはバラツキがあった。デザインに差がみられたため、研究を統合することは適切ではなかった。質の高い研究1件で、ブデゾニド2000~8000mcgを吸気のみの吸入によるPari Inhalier Boyジェットネブライザーで送達する場合と、ブデゾニド1600mcgを高容量のスペーサー(吸入補助具)で送達する場合を比較していた。ネブライザーによる送達では、ホールディングチャンバー(スペーサー)による送達と比較して、朝の最大呼気流量(25L/分p<0.01)および夕方の最大呼気流量(30L/分、p<0.01)が高く、レスキュー薬としてのβ2作動薬の使用回数が減り、症状スコアも低下した。

訳注: 

監  訳: 林 啓一,2009.2.20

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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