肝細胞癌の外科的切除に対するネオアジュバント療法とアジュバント療法

著者の結論: 

レビューしたアジュバントおよびネオアジュバントのいずれのプロトコルについても有効性を示す明確なエビデンスはないが、アジュバント療法は無病生存期間を延長させる利益を示唆する多少のエビデンスがある。現実的な治療上の利点を検出するために、システマティックな誤リスクの低い大規模な試験を今後、実施する必要がある。

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背景: 

肝細胞癌は非常に懸念される疾患である。手術が治療選択肢であるが、切除後の再発率は依然として高い。

目的: 

手術可能な肝細胞癌に対する治癒的切除後のネオアジュバント療法とアジュバント療法の利益および有害性を、手術単独または手術とプラセボ/支持療法と比較し判定する。

検索方法: 

Cochrane Hepato-Biliary Group Controlled Trials Register、コクラン・ライブラリのCochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)、MEDLINE、EMBASE、Science Citation Index Expanded、Chinese Biomedical Database、およびUS National Cancer Institute's Physician's Data Query Trials Databaseを2005年まで検索した。さらなる試験を同定するために、同定した試験の参考文献も検索した。

選択基準: 

治癒的肝切除の補助としてネオアジュバント療法/アジュバント療法が施行された肝細胞癌患者を非施行患者と比較していたランダム化試験および準ランダム化試験

データ収集と分析: 

2名のレビューアが独自にデータを抽出し、不一致は合意により解決した。1年、2年、3年、4年、5年の各生存率、生存期間の中央値、および有意性検定(P値)の結果を用いて生存曲線および無病生存曲線を比較した。

主な結果: 

計843例の患者を対象とする計12件のランダム化試験を同定した。ランダム化臨床試験のサイズは患者30例から155例であった。術前(ネオアジュバント)および術後(アジュバント)介入ともに、全身および局所領域(+/-塞栓形成術)への介入、化学療法および免疫療法の介入が検討されていた。選択された治療レジメンおよび患者は比較可能ではなく、このため統合できなかった。ドキソルビシンによる術前の経カテーテル的動脈化学塞栓療法を用いたひとつのレジメンのみが2件の試験で類似していた。12件の試験のうち4件は、アジュバント療法またはネオアジュバント療法を行った場合の5年生存率の利益を報告していた。9件の試験で無病生存率が報告されており、推定ハザード比は2件の試験で5年無病生存率が有意であったことを示している。これらの2件の試験は生存率のうえで利点を示していなかったが、アジュバント療法またはネオアジュバント療法を行った患者に再発が有意に少なかった。最も高い毒性発現率が経口1-ヘキシルカルバモイル-5-フルオロウラシルを用いた1件の試験でみられており、結果として患者38例のうち12例が有害事象のために試験を中止していた。

訳注: 

監  訳: 相原 守夫,2009.5.13

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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