急性中耳炎に対する抗菌薬短期投与

著者の結論: 

臨床医は抗菌薬の長期投与によって得られるごく短期の利益が、小児を抗菌薬の長期投与に曝露するに値するかどうか評価する必要がある。

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背景: 

急性中耳炎(AOM)は小児期によくみられる疾患であり、抗菌薬がしばしば処方される。

目的: 

小児におけるAOM治療に対する抗菌薬短期投与(7日未満)の有効性を長期投与(7日以上)と比較・検討する。

検索方法: 

Acute Respiratory Infections Group's Specialised Registerを含んでいるCochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)(コクラン・ライブラリ2009年第4号)、MEDLINE、EMBASE、MEDLINE In-Process & Other Non-Indexed Citations、CINAHL、BIOSIS Previews、OCLC Papers First and Proceedings First、Proquest Dissertations and Theses(開始から2009年11月まで);International Pharmaceutical Abstracts、NLM Gateway、Clinical Trials.gov、およびCurrent Controlled Trials(開始から2008年8月まで)を検索した。

選択基準: 

以下の基準を満たしている場合、試験を選択した:参加者の年齢1カ月齢から18歳まで;耳感染症の臨床的診断;抗菌薬の前治療なし;抗菌薬7日未満投与か7日以上投与にランダム化。

データ収集と分析: 

治療失敗という主要アウトカムを、治療開始後1カ月間のAOMの臨床的改善なし、再燃または再発と定義した。治療アウトカムを個々の研究から抽出し、要約オッズ比(OR)の形で統合した。要約OR 1.0は、抗菌薬7日未満投与後の治療失敗率は7日以上投与後の失敗率と同等であったことを示す。

主な結果: 

この更新版は12,045例の参加者を対象とする49件の試験を選択した。治療開始後1カ月時点における治療失敗リスクは抗菌薬短期投与でより高かった(OR 1.34、95%CI 1.15~1.55)(短期投与で失敗21%、長期投与で失敗18%;両群間の絶対3%)。1カ月以前の時点における治療失敗リスクに関して、セフトリアキソン7日未満投与(セフトリアキソン投与群30%失敗、短時間作用型抗菌薬7日以上投与群27%失敗)やアジスロマイシン7日未満投与(アジスロマイシン投与群と短時間作用型抗菌薬7日以上投与群のいずれにおいても18%失敗)を検討した場合、は見いだされなかった。消化管有害事象が有意に少ないことが、短時間作用型抗菌薬やアジスロマイシンによる治療で観察された。

訳注: 

監  訳: 尹 忠秀,2011.3.25

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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