非経口栄養の新生児におけるカルニチン補充

非経口栄養の新生児において、カルニチンの補充が体重増加を改善することを示す十分なエビデンスはない。早産児(37週以下)では、非経口(口から摂取する以外の投与経路)で栄養補助食品の補充を要することが多い。カルニチンは母乳と乳児用調製粉乳の両方に含まれるアミノ酸だが、非経口栄養剤に常に含まれるわけではない。カルニチンは脂肪酸のエネルギーへの変換を促進し、乳児の成長に役立つ。試験に関する本レビューでは、早産児の体重増加や脂質負荷について、カルニチンの非経口補充による利益を示す十分なエビデンスはみられなかった。今後さらなる研究が必要である。

著者の結論: 

非経口栄養の新生児において、カルニチンのルーチン補充を支持するエビデンスはなかった。

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背景: 

カルニチンは、長鎖脂肪酸の酸化に重要な役割を担う4級アミノ酸である。カルニチンは母乳と乳児用調製粉乳の両方に含まれる。しかし、非経口栄養剤に常に含まれるわけではない。カルニチンが補充されていない非経口栄養の乳児では、組織のカルニチン濃度が極めて低い。この臨床的な重要性については不明である。カルニチン欠乏症は、早産児で非経口的脂質の利用能に限界を生じる原因となることがある。In vitroの研究では、組織のカルニチン濃度が正常値の10%以下に低下した場合、脂肪酸の酸化が低下することを示唆している。したがって、カルニチンの相対的な欠乏により、脂肪酸の酸化を低下させ、それによって利用可能なエネルギーが減少し、成長を損なう場合がある。

目的: 

本レビューの第一の目的は、非経口栄養の新生児におけるカルニチンの補充が、体重増加を改善するかについて評価することである。第二の目的は、脂質の忍容性とケトン体生成への影響について評価することである。

検索方法: 

2名のレビューアがコンピュータによる検索を実施した。Medline、Embase、The National Research Register(英国)、Cochrane Controlled Trials Registerを検索し、専門的な情報提供者を利用した。MeSHで使われていた見出しはカルニチンと非経口栄養であった。

選択基準: 

ランダム化試験のみについて検討した。カルニチン単独補充、非経口栄養の新生児、および次の1つ以上のアウトカムについて調べた試験を組み入れた。体重増加、血漿脂肪酸、血漿トリグリセリド、脂質許容量、呼吸商、βヒドロキシ酪酸濃度。

データ収集と分析: 

2名のレビューアがそれぞれに文献を検索し、選択する試験について合意した。2名のレビューアがそれぞれにデータを抽出して評価した。欠測データを明確にしたり、提供してもらったりするため、可能な場合は著者に連絡した。

主な結果: 

14件の研究を特定し、6件が選択基準を満たした。これらの研究が概して短期的であり、異なるアウトカムを調べたため、本レビューの結果は限定的なものである。1件の研究が短期および長期的な体重増加を調べ、3件の研究が短期的な体重増加のみを報告し、3件の研究が短期的な脂質負荷に対する生化学的結果を報告し、2件の研究が通常の非経口栄養中に得た結果を報告していた。

カルニチンを補充された乳児について、体重増加、脂質利用、ケトン体生成への影響を示すエビデンスはなかった。

訳注: 

《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2017.11.15]
《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 
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