早産児の呼吸不全に対する一酸化窒素吸入

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著者の結論: 

非常に状態の悪い早産児に対する救済治療としてのiNOは有効ではないようである。呼吸器疾患がある早産児における早期のiNOのルーチンの使用は重篤な脳傷害に影響を与えず、BPDを伴わない場合の生存も改善しない。BPDを予防するためのiNOの後期使用は有効である可能性はあるが、更なる研究が必要である。

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背景: 

一酸化窒素吸入(iNO)は低酸素性呼吸不全がある満期産児において有効である。呼吸不全の病態生理とiNOが生じ得るリスクは早産児でかなり異なり、早産児を対象とした研究が必要である。

目的: 

呼吸器疾患がある早産新生児において、iNOによる治療が、死亡、気管支肺形成症(BPD)、脳室内出血(IVH)、神経発達障害に及ぼす効果を明らかにする。

検索方法: 

Cochrane Neonatal Review Groupの標準的な方法を用いた。1985年から2010年までの年をカバーしているMEDLINE、EMBASE、HealthstarおよびCochrane Central Register of Controlled Trials(コクラン・ライブラリ)を検索した。さらに、Pediatric Academic Societiesの抄録も検索した。

選択基準: 

呼吸器疾患がある早産児を対象として、プラセボありとなしでのiNOガスの効果とコントロールと比較したランダム研究および準ランダム研究が適格であった。

データ収集と分析: 

Cochrane Neonatal Review Groupの標準的な方法を用いた。

主な結果: 

14件の早産児を対象にした一酸化窒素吸入のランダム化比較試験が見つかった。これらの試験は、事後、登録基準により3つのカテゴリーに分類された:酸素化基準に基づいて生後3日以内に登録、肺疾患がある早産児におけるルーチンの使用、BPDリスクの増加に基づいて後期に登録。全体の解析は行わなかった。酸素化基準に基づいた乳児の早期救済治療に関する9件の試験は、iNOは死亡率またはBPDに対して有意な効果を有さないことを示した。肺疾患がある乳児におけるiNOのルーチンの使用に関する3件の研究も、死亡やBPDを有意に減じないことを示した[typical RR 0.93(95%CI 0.86~1.01)]。ただし、この小さい効果は有意性に接近した。BPDのリスクに基づいた後期iNO治療(2件の試験)は、統合データを用いて可能であった解析においてこのアウトカムに対して有意な利益を示さなかった。すべてのグレードのIVHあるいは重度のIVHの頻度に対するiNOの明らかな効果はなかった。早期救済治療では重度のIVHが20%の有意でない増加を生じた。神経発達障害の発生率に対する効果は見られなかった。

訳注: 

監  訳: 江藤 宏美,2011.7.12

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

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