多胎妊娠に対する入院と床上安静

著者の結論: 

多胎妊娠に対するルーチンの床上安静のための入院という方針を支持するには現在エビデンスは十分でない。胎児成長が改善する可能性があるという示唆はあるものの、早期産や周産期死亡のリスク低下がないことは明らかである。合併症のない双胎妊娠の女性に対してのこのレビューの結果は、ルーチンの床上安静のための入院の利益を示していない。更なるエビデンスが入手可能になるまでは、この方針をルーチンの実地臨床に対して推奨することはできない。

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背景: 

多胎妊娠の女性に対して以前は床上安静が広く助言されていた。

目的: 

早期産や他の胎児・新生児・母体の有害アウトカム予防のための多胎妊娠の女性の病院での床上安静の効果を評価することを目的とした。

検索方法: 

Cochrane Pregnancy and Childbirth Group's Trials Registerを検索した(2010年5月)。

選択基準: 

病院での床上安静を提案された多胎妊娠の女性と合併症のためだけに入院した多胎妊娠の女性間の、母体とその乳児のアウトカムを比較したランダム化試験

データ収集と分析: 

レビューアが、選択および試験バイアスのリスクに対する評価を行った。データを抽出し、ダブル入力し、ランダム効果モデルを用いた。

主な結果: 

713例の女性と1452例の乳児を対象に入れた7件の試験を選択した。多胎妊娠に対するルーチンの入院による床上安静は、早期産や周産期死亡のリスクを減じなかった。試験の質により説明されない周産期死亡や死産に関連する実質的な異質性が認められた。ルーチン入院群の女性に生まれた低出生体重児(<2500 g)の数が減少したという示唆があった(リスク比(RR)0.92;95%信頼区間(CI)0.85~1.00)。極低出生体重児(<1500 g)の数には認められなかった。他の新生児アウトカムについて入院方針に対する支持は見つからなかった。いずれの試験においても、乳児に対する発達アウトカムに関する入手可能な情報はなかった。高血圧発症や帝王切開を報告した副次的母体アウトカムにおいては認められなかった。女性が受けたケアについての女性の意見は稀にしか報告されなかった。合併症のない双胎妊娠の女性、分娩前に子宮頸部が拡張した双胎妊娠の女性、および多胎妊娠の女性についてのサブグループ解析においていかなる主要および副次的な新生児アウトカムや母体アウトカムにもは認められなかった。

訳注: 

監  訳: 江藤 宏美,2011.3.1

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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