非特異的慢性腰痛(LBP)に対する鍼治療

レビューの論点

鍼治療は安全に痛みを軽減し、非特異的慢性LBPを持つ人々の背部機能と生活の質(QOL)を改善するか?

背景

ほとんどの人は慢性的LBPを経験したことがある。痛みなどの症状を和らげるために鍼灸を選ぶ人もいる。

検索期間

本エビデンスは2019年8月29日現在のものである。

研究の特徴

8270人が参加した33件の試験(37本の論文)をレビューした。試験はヨーロッパ、アジア、北アメリカ、南アメリカで行われた。鍼治療とシャム鍼(プラセボ、経穴でない部位への鍼治療を指す)、無治療、通常の治療を比較した研究である。

主な結果

シャム鍼に比べて、治療直後の痛みの軽減には鍼治療の方が効果的ではない場合がある。鍼治療は、治療直後に背中特有の機能を改善するような結果は見られないか、短期的には生活の質を向上することはできない可能性がある。

鍼治療は、治療直後の痛みの緩和や機能改善には、無治療より優れていた。

鍼治療は通常の治療に比べて、臨床的に痛みを有意に軽減するような効果は見られなかったが、治療直後の機能改善にはより効果的である結果であった。鍼治療は短期的には生活の質を改善しなかった。

有害事象の発生率は、鍼治療とシャム鍼の間、及び鍼治療と通常の治療の間で同程度である可能性がある。鍼治療に関連する副作用は軽度または中等度と見なされた。

エビデンスの確実性

エビデンスの確実性は、中程度から非常に低いものまであった。多くの試験では、鍼灸師や参加者のマスキングに問題があるため、バイアスのリスクが高いことが示された。これは、参加者が報告したアウトカムと試験者が計算した効果に影響を与える可能性がある。いくつかの結果は参加者数が少ない試験に基づいていたため、結果の矛盾や不正確さをもたらした。

訳注: 

《実施組織》 季律、杉山伸子 翻訳[2021.01.11]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD013814》

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