手指の衛生は新生児の感染を防ぐことができるのか?

論点

手指の衛生は新生児の感染を防ぐことができるのか?

背景

毎年、約50万人の新生児が細菌による感染症で亡くなっている。これらのほとんどは貧しい国で発生している。これらの感染症は、赤ちゃんの世話をする人が良好な手指衛生を実践することで予防することができる。

検索期間

検索は2020年6月1日現在の最新情報である。

研究の特性

病院の集中治療室で働く看護師と、入院中の全新生児を対象とした5件の研究が含まれていた。4件の研究では279人の看護師が参加しており、5件目の研究では、研究に参加した看護師の数が明確に報告されていなかった。研究では、「消毒用洗剤」とサニタイザー(手指擦り込み式速乾性アルコール消毒剤)、「消毒用洗剤」と普通の石鹸、1%のトリクロサンと「消毒用洗剤」、および共にヨードを含む消毒剤であるプレポダインとベタジンを比較していた。

研究の資金提供元

資金源が不明瞭だったのは、含まれる研究のうち4件で、1件は資金の提供を受けていないと報告されていた。

主な結果

我々のレビューでは、新生児の感染を予防するために、他の手指衛生介入と比較して一方の手指衛生介入の有効性を支持するエビデンスは得られていない。対象となった5件の研究では、死亡や入院期間などの他の重要なアウトカムを調査したものはなかった。様々な手指衛生介入の介護者の皮膚に対する望ましくない効果には、あまり差がなかった。

結論から言うと、新生児の感染予防には手指衛生介入が良いのかどうかはわからない。我々は、対象となった看護師や赤ちゃんの数が少ない研究を数件しか評価できていない。さらに、評価された研究のほとんどは、バイアスのリスクが高いものであった。信頼性の高い結論が得られるように、バイアスのリスクが低い大規模な研究が必要である。

エビデンスの確実性

新生児の感染予防のための手指衛生介入の有効性について結論を出すためには、利用可能なエビデンスは確実なものではないと言わざるを得ない。

訳注: 

《実施組織》 小林絵里子、杉山伸子 翻訳[2020.02.09]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD013326.pub2》

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