医療従事者の針刺し事故のような外傷や飛沫曝露を防止するための教育・訓練

このレビューの目的

医療従事者は、患者さんへのケアを行う際に、針刺し事故や血液などの体液の飛散によって、感染症にかかるリスクがある。このレビューは、このような傷害を予防するための介入について調査するシリーズの一部であり、より具体的には、これらの傷害の発生を抑えるための教育・訓練による介入策の有効性を調査するものである。複数のデータベースを包括的に検索し、針刺し事故や体液の飛沫への曝露を防ぐための教育的介入を活用したランダム化および非ランダム化研究を特定した。

要点

教育や訓練は、医療従事者の針などによる外傷を最大12ヶ月のフォローアップ期間中は防ぐことができるという、低度~非常に低度の質のエビデンスが得られた。今後は、医療従事者における針刺し事故や飛沫曝露の発生率に対する教育・訓練の効果をさらに検討するために、質が高い、ランダム化比較試験を用いた研究が必要である.

このレビューからわかったこと

このレビューには、クラスターRCT(ランダム化比較試験)が1件、比較臨床試験が3件、分割時系列解析が3件の計7件の研究が含まれた。そのうち5件の研究では、教育的講演、双方向性実演、マーケティング手段が組み合わせて活用されていた。バイアスのリスクは、対象となった7件の研究すべてにおいて高かった。最近発表された研究1件だけが、望ましい研究デザインであるクラスターランダム化比較試験の手法を用いていた。

このレビューの主な結果

医療従事者に対する教育・訓練の介入は、針刺し事故のような外傷の発生率のわずかな減少につながるかもしれない。針刺し事故に関する知識や行動が、教育によって短期的に改善される可能性がある。

このレビューの更新状況

検索は2020年4月までに実施した。

訳注: 

《実施組織》 杉山伸子、小林絵里子 翻訳 [2022.03.14]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD012060.pub2》

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