静脈血栓塞栓症予防に対する神経筋電気刺激

背景

下肢の深部静脈内における不必要な血栓形成は、その血栓が肺に飛んで死亡の原因にもなるため深刻で致命的な恐れのある健康上の問題である。不必要な血栓は、運動量減少(手術や脳卒中、けがなどによる)、血液凝固傾向の亢進(癌や遺伝性疾患などによる)、およびその他の要因の結果として発生する場合がある。下肢深部静脈内の不必要な血栓形成は、薬理学的方法(ヘパリン、ワルファリンなど)、もしくは機械的方法(脚を圧迫して血管内の血流を促し血栓のリスクを減らす特定のストッキングまたは器具)によって防止できる可能性がある。神経筋電気刺激システム(Neuromuscular electrical stimulation systems :NMES)は、電極を通じ電気的刺激を選択した筋肉群や神経部位に経皮的に与え、不随意の筋収縮を誘発する。NMESは下肢血栓防止の機械的方法として効果的と考えられている。そのため、不必要な血栓の形成防止に対し、他の方法と比較したNMESの効果について入手可能なエビデンスを特定しようとした。

試験の特性および主な結果

NMESによる介入群と無治療もしくは低用量ヘパリンや圧迫ストッキングなどの血栓防止治療法の対照群との比較を行った、合計904例が参加した試験8件(2017年3月22日現在まで)を同定した。NMESと他の治療方法との間で不必要な下肢血栓のリスクに明確な違いは見られなかった。また、NMESは無治療と比較して、不必要な下肢血栓形成のリスクは低いが、ヘパリンと比較してリスクは高かった。より確実なエビデンスを得るには、さらなる試験が必要である。

エビデンスの質

全体的に、高いまたは不明確なバイアスのリスク試験間の異、そして試験とイベント数が少ないことによる不正確効果予測のため、入手可能なエビデンスの質は低く、評価が下がっている。

訳注: 

《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2018.12.25] 《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 【CD011764.pub2】

Tools
Information
Share/Save